パラ選手村内事故 オペレーターはトヨタ自動車から派遣

[ 2021年8月28日 13:39 ]

東京五輪・パラリンピック選手村を走る自動運転バス
Photo By 共同

 東京パラリンピックの選手村(東京都江東区晴海)内で、26日に発生した自動運転の電気自動車(EV)「e―palette(イーパレット)」と視覚障がいのある柔道男子81キロ級代表の北薗新光(30=アルケア)が接触した事故について、大会組織委員会の中村英正・運営統括(MOC)は28日、都内で開かれた定例会見で「事故に遭われた方に心よりお見舞い申し上げる。バスを提供していただいているトヨタ自動車と徹底的に原因を究明し、再発防止に努めたい」などと陳謝した。

 事故の原因や当時の状況について、中村MOCは「調査中」と釈明し、明確な回答をせず。北薗自身には外傷や脳の磁気共鳴画像(MRI)検査による異常は認められないものの、事故後に体調不良を起こしているといい、医師からは「脳しんとうの疑い」と診断されたという。また、人為的なミスの可能性も残される中、イーパレットに乗車していた2人のオペレーターはトヨタ自動車から派遣されていることを認め、「運行を含めた知識は事前にトレーニングしている」と説明した。

 事故は26日午後2時ごろに発生したが、組織委による正式な公表が27日午後11時ごろと大幅に遅れた。組織委の高谷正哲スポークスパーソンは「できる限り早く伝えることは組織委の務めだと思っている。一方で事象、具体的にどういった状況か、確認に時間がかかった」と弁明。大会最高位スポンサーのトヨタ自動車への配慮があったのでは?との質問には、中村MOCが語気を強めて「ない」と言い切った。

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