走り幅跳び4位の山本篤 日本新でもメダル届かないハイレベルな戦いに「火付け役になって終わっちゃった」

[ 2021年8月28日 22:23 ]

東京パラリンピック第5日 陸上 ( 2021年8月28日    国立競技場 )

<パラリンピック 陸上>男子走り幅跳び(T63)決勝、5本目、力強い跳躍を見せる山本(撮影・木村 揚輔)
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 男子走り幅跳び(義足T63)決勝が行われ、16年リオデジャネイロ大会銀メダリストの山本篤(39=新日本住設)は自身の持つ日本記録を更新する6メートル75を跳んだが、4位。4回目の大舞台はメダル獲得はならなかった。小須田潤太(30=オープンハウス)は自己ベストを更新する5メートル95で7位に入った。

 1回目に自己記録の6メートル70にあと8センチに迫る6メートル62をマークし、1回目終了時点で5位につけたが、その後は記録を伸ばせなかった。しかし、5回目で6メートル75を跳び、この時点で3位に浮上。雄たけびをあげた。「多くの人がテレビの前で見てくれていると信じて、ジャンプをしてきました。1本目から自己ベストに近いジャンプができて、5本目には自己ベストのジャンプができて、未だセル力は出せたのかなと。メダルがないというのは悔しい部分もあるとは思うが、最高のジャンプをするという目標は達成できた」と振り返った。

 ただ直後に7メートルを跳んだ選手が3人に。最終跳躍でも上位3人は大ジャンプの競演となった。「今の状態では7メートルは無理。火付け役になって終わっちゃったなと。5位から3位に上がって色々な選手の火をつけてしまった」と話す姿はすがすがしかった。

 ◇山本 篤(やまもと・あつし)1982年(昭57)4月19日生まれ、静岡県掛川市出身の39歳。大体大―新日本住設株式会社所属。小学校では野球チーム、中高はバレーボール部に所属。高2だった02年にバイク事故で左足の大腿部を切断。掛川西高を卒業後、義肢装具士になるための専門学校で競技用義足と出合い、陸上を始める。08年北京パラリンピックでは幅跳びで銀メダルを獲得し日本人義足陸上選手として初めてメダルを手にした。

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