堀琴音 PO制しプロ8年目悲願V!福嶋姉妹以来ツアー2組目“姉妹優勝”

[ 2021年7月12日 05:30 ]

女子ゴルフツアー ニッポンハム・レディース最終日 ( 2021年7月11日    北海道 桂GC=6763ヤード、パー72 )

姉妹優勝を飾り姉・堀奈津佳(左)と笑顔を見せる堀琴音(撮影・西尾 大助)
Photo By スポニチ

 ツアー史上最長の6763ヤードに設定された大会で、堀琴音(25=ダイセル)が通算14アンダーで並んだ若林舞衣子(33=ヨネックス)とのプレーオフを3ホール目で制し、プロ8年目で悲願のツアー初優勝を飾った。ツアー2勝の姉・奈津佳(29=サニクリーン)との“姉妹優勝”は88年のツアー制度施行後、福嶋晃子、浩子に続く2組目の快挙。2位から出た最終ラウンドでは5バーディー、ボギーなしの67をマークし、2打差を追いついた。

 初のプレーオフで勝利が決まった瞬間。堀琴音は両手を上げて喜ぶも、すぐに涙を流した。苦しんだ記憶が頭を巡る。すると、東京から急きょ駆けつけた姉・奈津佳が抱擁で祝福してくれた。姉妹で泣き笑い。プロ8年目で悲願の初優勝だ。

 「シードを落とした時は絶望で、この世の終わりという気持ちだった。復活できて良かった。優勝って、こんなにうれしいんだ」

 2打差2位から出て「絶対に諦めない」と終盤14、15番で連続バーディー。5バーディーボギーなしの67で首位に追いついた。18番パー4でのプレーオフ3ホール目で第2打をピン手前3メートルに運び、パーとして決着をつけた。

 プロ転向後、何度も優勝争い。初勝利は時間の問題と思われた。だがショットの不振で18年に3年間保持したシードを喪失。「人生の終わり」と泣いた。スイングを見失い、夜も動悸(どうき)で眠れない。「ゴルフを辞めたい」と思った。地元・兵庫から単身上京し、森守洋コーチ(44)に師事。今年、球筋をドローからフェードに変更し転機となる。今大会フェアウエーキープ率は84%。苦しんだ分、強みになった。

 このコースは11年に姉がプロデビューした地。高校生だった琴音は観客として訪れていた。「10年後に、ここで初優勝できて幸せいっぱい。早く2勝、3勝としたい」。最後は笑顔でそう宣言した。

 ▼姉・奈津佳 苦しかったと思うけど、腐らずに必死に練習していた。本当によく頑張ったと思います。最近は私がいい成績を残せていないので、もっと頑張って一緒に優勝争いをしたい。(今大会は予選落ちして帰京していたが、この日の昼に急きょ飛行機で駆けつけて)

 ◇堀 琴音(ほり・ことね)1996年(平8)3月3日生まれ、徳島市出身の25歳。7歳でゴルフを始める。滝川二高を卒業後の14年プロテストに合格し、翌15年に賞金シードを獲得するなどLPGA新人賞。18年に賞金ランク114位に沈み、3年間保持したシードを喪失した。姉はツアー通算2勝の奈津佳。1メートル63、53キロ。血液型A。

 【勝者のクラブ】▼1W=キャロウェイ・エピック・スピード◆◆◆DS(ロフト10・5度、硬さS、長さ45・75インチ)▼3W=同エピック・マックス(13・5度)▼5W=ブリヂストン・ツアーB X―F(18度)▼3U=同プロトタイプ(19度)▼4U、5U=同ツアーステージX―ドライブGR(23、25度)▼6I~PW=同ツアーB X―CB▼ウエッジ=JUCIE tT(51、58度)▼パター=テーラーメイド・トラスTB2▼ボール=ブリヂストン・ツアーB X

続きを表示

2021年7月12日のニュース