高安、単独トップ!照ノ富士との元大関1敗同士の対決攻めて制した

[ 2021年3月22日 05:30 ]

大相撲春場所8日目 ( 2021年3月21日    両国国技館 )

立ち会いで激しくぶつかる照ノ富士(左)と高安(撮影・沢田 明徳)
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 高安が照ノ富士との1敗対決を制して7連勝で単独首位に立った。3大関は正代が霧馬山を寄り切って星を五分に戻し、カド番の貴景勝は妙義龍を押し出して5勝目。朝乃山は大栄翔に押し倒され、3敗に後退した。1敗の高安を2敗で照ノ富士、千代の国が追う展開になった。

 1敗の千代の国が敗れたため、勝てば単独トップになる照ノ富士との決戦。高安が怪力を生かして白星を並べる相手のパワーを封じ、価値ある勝利を手にした。「細かいことは考えず攻めの相撲を目指した。毎場所戦っている相手だし、こういう条件の中で戦えたので、本当に結果を出したいという気持ちだけだった」と振り返った。

 直近3連勝している照ノ富士戦。頭からぶつかる真っ向勝負の立ち合い直後、相手の左突きをつかまえながら右をねじ込んだ。すかさず懐に入って左上手を封じると、投げの打ち合いにも体を寄せながら攻めて寄り切った。「うまく中に入れた。立ち合いも良かったので右もしっかり入った」と自賛した。

 ともに大関から陥落し、不屈の闘志で復活を目指してきた。苦労を味わった男同士の激突が優勝争いで単独トップになる対決となれば燃えないわけがない。緊張感ある戦いを制し、「上を目指して頑張っていく中で、こういう相撲が取れてうれしい。いい刺激になる。こういう一番で結果出せて達成感ある」と実感を込めた。

 主役に躍り出た31歳。初土俵から95場所目での初賜杯となれば史上4番目のスロー記録だ。八角理事長(元横綱・北勝海)は「優勝争いを意識するのはまだ早い。意識しても自分の相撲を取り切らないと優勝はできない」と話す。

 過去には大事な場面で星を落としたこともあるが、これまでと違う。2月に第1子が誕生し、一家の大黒柱となった元大関は「自信を持って臨めている。明日もいい内容で取っていきたい」と言葉に力を込めた。

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2021年3月22日のニュース