組織委員会がジェンダー平等の講演会実施 橋本会長「多様性と調和に向けた共通認識を深める機会に」

[ 2021年3月22日 15:40 ]

オリンピック憲章とジェンダー平等に関する講演をする來田享子理事(中央)。左は東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長(代表撮影)
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 東京五輪・パラリンピック組織委員会は22日、都内で開催する理事会に先立って今月3日に新理事に就任した中京大スポーツ科学部教授の來田享子氏(57)が「オリンピック憲章とジェンダー平等」について講演を行った。

 冒頭では組織委の橋本聖子会長(56)が「ジェンダー平等と多様性と調和推進については先日の理事会で女性理事の参画を増やすとともに、小谷スポーツディレクターをヘッドとするジェンダー平等推進チームにおいて関係団体の方々から精力的にヒヤリングするなどスピード感を持って取り組みを進めている」と報告した。

 組織委では2月に森喜朗前会長(83)が女性蔑視発言により引責辞任。さらに今月には、開閉会式の企画・演出の総合統括担当だったクリエーティブディレクターの佐々木宏氏(66)が、タレントの渡辺直美(33)の容姿を侮辱するような演出を提案していた問題が発覚した。橋本会長は「組織委員会がジェンダー平等と多様性と調和を推進している中で大変残念な出来事。開会式まで残された時間が少ない中、責任を感じている。オリンピック・パラリンピックの準備に携わる全ての関係者の意識向上があらためて必要だと痛感した」と述べ、この日の講演会を「関係者一同が東京2020大会における多様性と調和に向けた共通認識を深める機会にできたらと思う」とした。

 來田氏の専門はオリンピック・ムーブメント史、スポーツとジェンダー。この日はスポーツ界におけるジェンダー平等や多様性、社会における五輪の責務と今夏の東京大会の位置づけについて講演した。

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