大相撲春場所番付発表 照ノ富士、大関復帰で史上最大のカムバックだ ノルマあと9勝「決めないと」

[ 2021年3月2日 05:30 ]

大関復帰へ意欲を示す関脇・照ノ富士(日本相撲協会提供)
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 日本相撲協会は1日、大相撲春場所(14日初日、両国国技館)の新番付を発表した。過去2場所で計24勝を挙げている関脇・照ノ富士(29=伊勢ケ浜)がオンラインで会見。一時は序二段まで陥落したが、史上最長ブランクとなる21場所ぶりの大関復帰に意気込みを示した。先場所に平幕で初優勝した大栄翔(27=追手風)は3場所ぶりに三役復帰。4場所連続で休場中の横綱・白鵬(35=宮城野)は幕内連続在位が史上2人目となる100場所目に到達した。

 6年ぶりに挑む大関獲りに、照ノ富士は気持ちの高ぶりを抑え切れない。春場所へ「やっと近づいてきたのかな。今場所で決めないと、また最初からになる。頑張らないと」と決意を示した。

 入門から順調に番付を駆け上がり、新三役から所要2場所のスピードで15年秋場所に大関へ昇進したが、膝のケガもあり陥落。その後は両膝だけでなく、C型肝炎などで序二段まで番付を下げた。一時は引退も決意したが、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)らの説得もあって翻意。車いす生活から復活し、昨年7月場所で幕内に復帰すると、いきなり幕尻優勝した。昨年11月場所は13勝、初場所も朝乃山、正代の大関勢を撃破し11勝。昇進の目安となる直近3場所33勝のノルマにあと9勝としている。

 2月11日には3年前に結婚した同じモンゴル出身のドルジハンド夫人と挙式した。最愛の人からの支えを明かしながら「変に硬くなるのも嫌。いつも通りにやっている」と平常心を強調する。現行のカド番制度となった1969年名古屋場所以降、最長ブランクで復帰したのは所要7場所の魁傑。所要20場所という“史上最大のカムバック”へ「33勝を達成しないと始まらない。全力を尽くしたい」と意気込んだ。

 4場所連続の全休という、どん底から序二段で復帰した19年春場所からは2年。再び大関を狙うことに「予定通り」と強気に言い放った。かつて横綱候補と言われた大器にとって、大関復帰は単なる通過点かもしれない。

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