“ポスト福岡”トヨタ2年目WTB高橋汰地が2戦連続マン・オブ・ザ・マッチ

[ 2021年2月28日 18:40 ]

ラグビートップリーグ第2節   トヨタ自動車(勝ち点9) 47―29 NTTコミュニケーションズ(勝ち点5) ( 2021年2月28日    ユアスタ )

トヨタ・高橋汰地
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 トヨタ自動車が開幕2連勝と好スタートを切った。明大から加入2年目のWTB高橋汰地=たかはし・たいち=(24)が前半12分に勝ち越しトライを挙げるなど2試合連続でマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に選出。23年W杯フランス大会の日本代表入りへ、“ポスト福岡”の1人に浮上してきた。

 東芝との開幕戦では劣勢時に必殺のタックルをさく裂させてMOMに選ばれた高橋汰が、第2戦はアタックでも見せた。前半10分にNTTコムSHレイドローのPGで3―3と追いつかれた直後のキックオフ。SOクロニエが敵陣奥へ高く蹴り上げたボールを走り込んで見事にキャッチし、マイボールに。攻撃の起点となり、その後のPKからの速攻ではクロニエの飛ばしパスを受けて右隅へ飛び込んだ。後半10分、NTTコムに1トライを返されて25―15で迎えた場面では、相手キックをキャッチしたFBルルーからカウンターを指示され、ディフェンスラインへ激しく突っ込んでルルーへオフロードパス。クロニエ―WTBヘンリーと渡るトライを生み出した。

 キックオフのキャッチは、普段の練習からクロニエとタイミングを合わせていたという。「マイボールになればチャンスになる、自分の強みと思って狙いました」。スピードとパワーを兼ね備えた1メートル80、91キロの大型WTBで、明大4年時は22季ぶりの大学日本一に貢献。トヨタ自動車入り後はフィジカルをさらに鍛え、元ニュージーランド代表主将のNo・8リード、南アフリカ代表のW杯制覇メンバーであるルルー、今季加入したオーストラリア代表主将のNo・8フーパーら世界の一流選手を見習い、アドバイスを受けながら成長している。

 23年W杯フランス大会で2大会連続8強を目指す日本代表はWTB福岡堅樹(パナソニック)が医師を目指すため代表を引退。キックと決定力が武器の竹山晃暉(同)とともに、攻守に仕事量と安定感が増してきた高橋汰も“次世代の福岡”の有力候補だ。トヨタ自動車のクロン・ヘッドコーチからも同じ2年目のロック秋山と日本人の若手有望選手に挙げられており、高橋汰は「(秋山とは)同期入社で仲が良く、切磋琢磨しながらやっている」と笑った。

 兵庫県出身で、生まれる1年前に阪神淡路大震災で地元が被害を受けており、両親からも話を聞かされて育った。この日は東日本大震災から10年を迎える東北で、今季初のトップリーグ開催。「今回、東北で初めての試合で、東北の方々が元気に明るくなるような姿を見せられたら、と試合に出ていた。2戦連続MOMをいただけて、凄くうれしく思っている」。頼もしい24歳はトヨタ初優勝のキーマンでもある。

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2021年2月28日のニュース