楢崎智亜、最強クライマー証明へ「東京五輪の金メダルが必要」

[ 2021年1月20日 06:30 ]

2020+1 DREAMS 東京五輪まで約半年

指紋はかすれ、ツルツルになった指先を披露する楢崎智亜(撮影・吉田 剛)
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 【THE PERSON】逆風が強くても、夢舞台への歩みは止めない。スポーツクライミング男子の東京五輪代表・楢崎智亜(24=TEAM au)がスポニチのインタビューに応じた。新型コロナウイルスの収束は見えず、首都圏などに緊急事態宣言が再発令。五輪開催への否定的な声も多い厳しい状況だが、心は乱さず金メダルへ進撃する。

 開幕へのカウントダウンが進む中、東京五輪を取り巻く状況は厳しさを増している。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めはかからず、首都圏などに緊急事態宣言が再発令された。開催に否定的な声も多い。さまざまな“壁”が立ちはだかるが、楢崎は夢舞台への歩みを止めない。

 「自分ができることに集中し、しっかりとトレーニングを重ねていく。もちろん、東京五輪が楽しみなのは変わらない。ただ、今のこの状況で純粋にそれだけを言えるかというと、微妙なところではある」

 夢舞台を心待ちにする一方で、葛藤も抱いている。医師の父を持つ楢崎にとって、医療現場の壮絶な闘いは人ごとではない。

 「父も医療関係で働いているし、大変な時期がまた来ているのは分かっている。コロナが落ち着いて、みんなが気持ち良く五輪を迎えられるようになったらいいな」

 最強で最高のクライマーは誰か?そんな問いに明確な答えを提示することが、開催を信じる東京五輪での目標だ。

 「誰に聞いても“楢崎が1番”と言われるような存在になりたい。今は一概に誰が1番って言えないんで。そのためには東京五輪の金メダルが必要だと思っている。複合というのもあるし、五輪の初代王者というインパクトもある」

 東京五輪はスピード、ボルダリング、リードの複合で争う。最初は「なぜ複合?」と戸惑いもあったが、今は「キング・オブ・クライマー」の証明として、ふさわしい戦いと歓迎している。

 年が明け、新たな一歩も踏み出した。サッカーの香川真司、バドミントンの桃田賢斗、陸上短距離のサニブラウン・ハキームらと同じ「UDN SPORTS」と元日付でマネジメント契約。競技とともに、注力したいことがある。

 「米国のクライマーとかは社会貢献活動に力を入れていると聞いていて、僕も興味があった。クライマーとしての価値を高めていくためにも、社会貢献活動は必要だと思う」

 コロナ禍で自分にできることを模索する中、同事務所のアスリートと相談し、子供たちにマスクを配ることを決めた。

 「微力だけど、アスリートとして子供たちに安心と元気を少しでも与えることができればいい。クライミングの普及などの活動もしていければ」

 東京五輪の男子複合は8月3日に予選、5日に決勝が行われる。圧巻のパフォーマンスが、楢崎からのメッセージ。黄金の勲章を手に入れて、新たなクライマー像を世界に示す。(杉本 亮輔)

 《意外?な初タイトルで21年初戦飾る》楢崎の21年初戦は今月30、31日のボルダリング・ジャパンカップ(東京・駒沢屋内球技場)になる予定だ。新型コロナウイルス感染予防のため、無観客での開催となる。ボルダリングのW杯年間王者や世界選手権優勝の実績を持ちながら、ジャパンカップでの優勝はなく、初タイトルに照準。3月にはスピードとリードのジャパンカップも行われる。

 ▽スポーツクライミング複合 スピード、ボルダリング、リードの総合成績で争う。各種目の順位を掛け合わせた数字が少ない方が上位となる。予選は20人で実施し、スピードは2本登ってタイムが速い方を採用し、ボルダリングは4課題に挑む。8人の決勝ではスピードはトーナメント戦で順位を決め、ボルダリングは3課題。リードは予選、決勝ともに1課題で実施する。

 ◆楢崎 智亜(ならさき・ともあ)1996年(平8)6月22日生まれ、栃木県出身の24歳。幼少時は体操をしていたが、小学5年でクライミングを始める。ボルダリングで16、19年にW杯年間王者と世界選手権で金メダルを獲得。19年世界選手権は五輪で実施される「複合」を制した。1メートル69、60キロ。

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