駒大・大八木監督 連覇のキーマン・田沢に「筋力強化」厳命 OBの五輪代表・中村に匹敵する逸材

[ 2021年1月5日 05:30 ]

箱根駅伝総合Vから一夜

ガッツポーズをする大八木監督(前列左)と選手たち         
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 箱根駅伝で13年ぶり7度目の総合優勝を飾った駒大の大八木弘明監督(62)が一夜明けた4日、都内で取材に応じ、2年生エースの田沢廉に「筋力強化」を厳命した。東京五輪男子マラソン代表の中村匠吾(28=富士通)らOBに比肩する逸材と認めるが世界と戦うには筋力不足も指摘。地獄の走り込み合宿でスタミナ強化し、箱根連覇にとどまらず、エースを22年ユージーン世界選手権へ送り込む青写真も明かした。

 13年ぶりに味わう勝利の美酒に酔った大八木監督は「選手たちがよくやってくれた。OBもみんな喜んでくれた」と笑顔で振り返った。早朝からテレビ生出演や取材をこなしたが、62歳の指揮官は疲労の色一つ見せない。「疲れはないです。うれしいから」と闘志をメラメラと燃やした。

 すでに箱根連覇、来年度の大学駅伝3冠に向けて名将の頭の中はフル回転する。「1万メートルの平均タイムや走力を強化してチームのレベルをもう1ランク上げたい。来季はスタミナ面を強化したい」と、通常より距離を増やした伊豆大島での「地獄」と呼ばれる合宿復活も計画している。

 連覇のキーマンは来季の主将に指名したエースの田沢だ。1万メートルは27分46秒09と今季日本人学生最速を誇り、駅伝のエースだけではなく、将来は日本代表になれる逸材。だが、大八木監督は体づくりが未完成と指摘する。「(田沢は)高校時代からあまり筋トレはやっていないので下半身の筋力が足りない。そこをクリアすれば日の丸に近づく」と世界を目指すために筋力強化の必要性を説いた。

 田沢も自身の弱点を理解している。区間7位に終わった2区終盤に足が動かなかったといい「最後に体幹のぶれが生じてしまう」と反省。「(世界を目指すには)体幹、筋力が必要になる。チームにも呼び掛けたい」と主将の自覚も見せた。

 大八木監督は田沢の22年ユージーン世界選手権出場も視野に入れる。チームに日の丸選手がいれば全体の底上げもできるといい、指揮官は「学生の代表選手がいると全体が強くなる。世界を目指して育て上げたい」と意気込みを新たにした。

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