羽生 新プログラム携え全日本5年ぶり頂点へ「ベストな練習ができた」、25日SP

[ 2020年12月25日 05:30 ]

公式練習に臨む羽生(撮影・小海途 良幹)
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 フィギュアスケートの全日本選手権は25日、長野市のビッグハットで開幕し、男女ショートプログラム(SP)などを行う。男子で14年ソチ、18年平昌五輪連覇の羽生結弦(26=ANA)は24日に会場で行われた公式練習で新フリー「天と地と」を初披露。来年3月の世界選手権(ストックホルム)代表最終選考会を兼ねた舞台で、改めて存在感を示す。

 初戦でも慌てることはない。コロナ下でコーチ不在の羽生だが、やるべきことを淡々とこなした。公式練習ではループ、サルコー、トーループの4回転ジャンプを次々と着氷。リンクのいろいろな場所を指さし、理想の演技のイメージを膨らませた。「感覚をつかめてないところもあったが、それもまた新鮮。久しぶりのことだったので、楽しい感覚もあった」。昨季の四大陸選手権フリー以来、319日ぶりの競技会のリンクを堪能した。

 自らが決めた決断に責任を持つ。「僕が出ていいものか、かなり葛藤があった」。安全面や移動リスクなどを考慮して、今季のGPシリーズは全戦欠場した。今大会は来年3月の世界選手権代表の最終選考会。「僕自身の希望を何とかつなぐために」と最高峰の舞台への思いを口にした。

 2曲の新プログラムを携え、5年ぶりの頂点を目指す。今日のSPは英シンガー、ロビー・ウィリアムズのアップテンポ曲「レット・ミー・エンターテイン・ユー」を舞う。4回転3種を4本披露する構成で臨む予定のフリーは大河ドラマ「天と地と」。公式練習ではフリーで使用する和楽器のメロディーに合わせ、振り付けを入念に確認した。「表彰台の真ん中に立ちたい気持ちは強くある。自分の中ではベターじゃなくて、ベストな練習ができたと思っている」。静かに努力を重ねた王者が、新境地を見せる。

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