ブレイクダンス 24年パリ五輪で初採用「こんなに早く…」国内関係者も驚き

[ 2020年12月9日 05:30 ]

IOC理事会追加競技承認

パリ五輪で採用が決まったブレイクダンス。キレのある演技を見せる河合来夢
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 国際オリンピック委員会(IOC)は7日にオンライン形式で理事会を開き、24年パリ五輪の実施種目と出場枠を正式決定した。追加競技として、大会組織委員会が提案した候補からダンススポーツの「ブレイクダンス」の初採用を承認。サーフィン、スケートボード、スポーツクライミングも21年東京五輪に続いて選ばれたが、野球・ソフトボールと空手は落選した。競技数は東京大会から1減の32、種目数は10減の329、出場枠は592減の1万500人となる。

 昨年2月の追加種目候補発表時は「サプライズ」とされたブレイクダンスが、正式に五輪種目入りした。11月に全日本選手権とオーストリアでの国際大会で立て続けに優勝し、日本一と世界一に輝いたダンスネーム“Shigekix(シゲキックス)”こと18歳の半井(なからい)重幸は「率直に凄くうれしく思う。新たに大きなモチベーションにつながる目標が増えた。より多くの方々に魅力を伝えられたら」と意気込んだ。

 「ブレイキン」とも呼ばれるブレイクダンスは、音楽に合わせて1対1の対決形式でパフォーマンスを披露し、採点で勝敗を決める。オンライン対戦も可能で、自宅や練習場から世界中の大会に参戦できるため、コロナ下でも発展している流れがある。もちろんパリ五輪の舞台となるフランスでも人気が高く、若者への影響を重視するIOCの五輪改革方針にも合っており、18年ユース五輪で初実施されてからわずか2年で五輪に“昇格”。IOCのバッハ会長も理事会後の会見で「特に若い世代に人気のあるスポーツの導入を優先した」と明かした。

 日本ダンススポーツ連盟ブレイクダンス部の石川勝之部長は「こんなにも早く正式種目になるとは思っていなかった」と驚きを隠さなかった。日本は18年のユース五輪で男子の半井が銅メダル、女子の河合来夢が金メダルを獲得したほか、初開催された昨年のブレイキン世界選手権でも男子の堀壱成が銀、女子の湯浅亜美が金メダル。有望種目であり、同連盟は国際大会よりも細かい採点基準を昨季から導入してパリ五輪へ準備を整えている。

 一方で、五輪種目入りを懸念する関係者もいる。競技性が高まることで、自由に自身を表現するというストリート文化の本質が変わってしまうというものだ。石川部長は「カルチャーとしてのブレイキンの発展にも尽力していきたい」と両立を意識するコメントを口にした。

 ▼ガレッジセールゴリ(芸人トップクラスの腕前)選ばれたぞぉー!ブレイクダンスはチャラく思われる部分もある。しかし並外れた努力と桁外れの肉体がなければできない技ばかりです。五輪メダリストが「僕にあの技は無理」というくらいレベルの高いことをしています。フランスは強いです。韓国も強いです。日本も見せつけてほしい!やっと世界にブレイクダンスの凄さが広まるぞぉー!

 ▼KENZO(DA PUMP、ストリートダンスの世界大会で8年連続優勝)ダンスシーンに関わる先輩方やたくさんの世代が幾度となく世界に挑戦し、発展させ、たどり着いた場所。自分も夢に見た世界が現実になっていることを幸せに思います。ブレイキンの可能性は無限大です。

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2020年12月9日のニュース