金谷拓実 “我慢”貫き2差3位に浮上 新人初2戦連続優勝へ「他人のスコアより、いいプレーを」

[ 2020年12月6日 05:30 ]

男子ゴルフツアー 日本シリーズJTカップ第3日 ( 2020年12月5日    東京都 東京よみうりCC=7023ヤード、パー70 )

3番でティーショットを放つ金谷拓実(撮影・沢田 明徳)
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 7位から出た金谷拓実(22=東北福祉大4年)が5バーディー、3ボギーの68と伸ばし通算5アンダーで首位と2打差の3位につけた。6日の最終日で史上初のプロ1年目での2大会連続優勝を狙う。70で回った岩田寛(39=フリー)が通算7アンダーで首位に浮上。トップから出た小斉平優和(22=太平洋クラブ)は72と落とし通算6アンダーの2位に後退した。

 何度もくじけそうになりながら、金谷は懸命に踏ん張った。悪条件の中、2度のバウンスバックを含め2つ伸ばして首位と2差。「難しい状況で粘って、明日につながるラウンドができた」と熱く振り返った。

 いてつく寒さに、距離も伸びない。体を意識的に動かすなど懸命のケアを試みたが、ショットの精度が悪く「たくさんボギーを打ってもおかしくない状態だった」という。前半こそ3つ伸ばしたが難関の9番からはピンチが続いた。10番はグリーン左の崖下に外しながらパーセーブ。11番も長いボギーパットを決めてロスを最小限にとどめた。パーオン率は30人中28位の44・44%だったが、絶妙の寄せと23パットでしのいだ。

 思うようなショットが打てず「自分に怒っていました」と内心は穏やかではなかった。それでもキャディーの「我慢が大事」という言葉に励まされ「次の状況でベストを尽くすことを考えた」と最後まで気持ちを切らさず集中力を保った。2日連続で一緒に回った石川は、その我慢強い姿を元世界ランク1位でメジャー3勝と抜群の勝負強さを誇るあの選手に重ねた。「選手に例えるならジョーダン・スピース。イマジネーションとメンタリティーに非常にたけている。一緒に回っていて楽しいし、気持ちがいい。大好きな選手ですね」と絶賛した。

 11月下旬のダンロップ・フェニックスでプロ転向後、初優勝。1年目での2大会連続優勝は東北福祉大の先輩、松山英樹も成し遂げていない。同学年の小斉平らと争う20年最後のラウンド。「他人のスコアというよりは、自分がいいプレーをして優勝したい」と静かに闘志を燃やした。

 《13年の松山も“連続”なし》○…99年の日本ゴルフツアー機構発足後では、プロ1年目で複数優勝したのは13年につるやオープンなど4勝の松山英樹1人。ただ、連続優勝は果たしておらず、金谷がダンロップ・フェニックスに次ぐ優勝を果たせば初の快挙となる。

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