荒磯親方 しっかり腰を割っていた貴景勝 ハードル高い「突き押し一本」での綱獲りも可能性感じる

[ 2020年11月24日 05:30 ]

<11月場所千秋楽・幕内優勝決定戦>照ノ富士(左上)を押し出しで破った貴景勝(撮影・郡司 修)
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 【荒磯親方 11月場所総括】秋場所に続いて初日から2横綱が休場する中、貴景勝が頑張りました。初日、2日目の相撲を見ていて安定感がありました。朝乃山は先場所の修正ができずに足が流れていて、新大関の正代はアクシデントでしたが後ろに下がったことでケガにつながりました。2人に比べ、貴景勝はしっかり腰を割って足を決めていて、軽さはありませんでした。

 初場所は綱獲りとなりますが、突き押し一本なのでハードルは高いと言えます。四つ相撲に比べて立ち合いや攻めが読まれやすく、組まれたら最後というところがあるからです。ただ、突き押し一本だからこそ可能性を感じるところもあります。千秋楽は本割で照ノ富士に敗れながら、決定戦で持ち前の威力を発揮しました。四つ相撲なら最初に負けるといろいろ考えてしまいますが、これしかないという帰る場所があるからこそ、修正できるのでしょう。

 照ノ富士は優勝を逃しましたが、大関時代に比べて技術力が高くなっています。竜電戦では上から押さえ込んでまわしを切って形勢を逆転しました。貴景勝との本割ではダンプカー、重戦車のようにゴリゴリいって差し勝ちました。今場所、貴景勝に差して勝ったのは照ノ富士だけです。大関昇進の目安の33勝は1場所平均11勝。2つも多く勝てたのは大きいと言えます。

 新関脇で勝ち越した隆の勝の実力は認めますが、ここで納得してはいけません。今場所は横綱、大関と当たっていない分、落としてはいけなかった星を見直すべきです。上の番付を目指していくには、そういうことが必要になります。

 若手では琴勝峰が目立ちました。完成されていない相撲ですが、押し相撲に対してはバネとセンスで押し勝ちました。兄弟子の琴ノ若はうまさがありますが、琴勝峰との決定的な違いは出足の強さです。もろ手で止める立ち合いがありましたが、上位に行くには出足が必要です。部屋には出足の強さで大関になった琴奨菊(現秀ノ山親方)がいます。見習っていくべきでしょう。(元横綱・稀勢の里)

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