【玉ノ井親方 視点】大栄翔、自分の形こだわり大関戦勝利 上位定着へ押し返す相撲を

[ 2020年11月12日 05:30 ]

大相撲11月場所4日目 ( 2020年11月11日    両国国技館 )

11月場所4日目、正代(右)を突き出しで破る大栄翔
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 大栄翔は腕が伸びて足がよく出ていた。喉輪で下から相手の体を押し上げ、一気に突き切った。正代は立ち合いの当たりはまずまずだったが、肝心の足がついていかなかった。いつもの土俵際の粘りも見られず、かなり足首の状態が気になっている様子だった。

 ただ相手のケガがどうであれ、大栄翔にとっては、大関戦で勝った事実は大きい。前日の北勝富士戦は、珍しく引いて敗れているだけになおさらだ。今日は絶対に自分の相撲を取り切ろうという気持ちだったと思う。北勝富士戦では、足がつんのめる感じで、前に出なかった。膝が悪いのかと思ったほどだ。関脇の先場所は5勝に終わり三役から陥落した。上位に定着するには、押し込まれても回り込んで押し返す相撲をもっと取ることだ。コロナ禍の中で最近はどの力士も十分な稽古ができていない。前半戦で勝ち星を伸ばし、後半戦でいかに耐えるかが勝負の鍵になる。(元大関・栃東)

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2020年11月12日のニュース