宇良 初土俵以来初の「居反り」で白星、十両以上で27年ぶりも「また期待してもらっては困ります」

[ 2020年11月12日 15:51 ]

大相撲11月場所5日目   ○宇良 居反り 旭秀鵬● ( 2020年11月12日    東京・両国国技館 )

<大相撲11月場所5日目>旭秀鵬(左)を居反りで破る宇良(撮影・白鳥 佳樹)
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 16場所ぶりに十両に復帰した東13枚目の宇良(28=木瀬部屋)が十両以上では27年ぶりの決まり手「居反り」で勝利した。旭秀鵬(32=友綱部屋)の突きをかいくぐって相手左腕を肩越しに右腕で取り、後方へ反り返りながら投げ飛ばした。

 1993年初場所12日目、十両の土俵で智ノ花が花ノ国に決めて以来。多彩な技を誇る自身ももちろん2015年春場所の初土俵以来初めてで、「前ですか?(学生時代の)世界大会以来じゃないですか? “居反りの宇良”と言われながら出してなかった」と苦笑いした。

 舞い戻った十両の舞台で再び白星先行させても安易に喜べないのは理想との違いにある。稽古場では基本である押しに徹する。「正面からちゃんとした相撲を取ってます。また?期待してもらっては困ります」と色めき立つ報道陣にもくぎを刺す。

 幕内にいた2017年名古屋場所で右膝を負傷。続く秋場所で途中休場して以来、6場所連続で休場し三段目まで転落した。幕下まで復帰したが19年初場所で再び右膝を痛め5場所連続で休場。番付は序二段まで落ち、長いリハビリ生活を送った。その経験からケガをしにくい正攻法の攻めを意識してきたからだ。

 ただ、低迷期に出会った、難病と闘う女性から贈られた化粧まわしに話題が移ると「そのことを考えると“技”を出せて良かった」と笑みを見せた。

 「宇良さんが活躍することで自分が元気になっているから、宇良さんに恩返しをしたい」とプレゼントされ、今場所から使い始めた化粧まわしには「技」と書かれる。

 「本場所では大きな力のある相手も多い。工夫していかないといけない部分もあるので」と前向きに捉え直してもいた。

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2020年11月12日のニュース