正代 大関昇進満場一致 口上で「至誠一貫」誓う 「相撲道に誠実で最後まで貫き通す」

[ 2020年10月1日 05:30 ]

大関昇進の伝達を受ける正代(中央)。左は時津風親方夫人の美由紀さん、右は枝川親方(代表撮影)
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 日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で11月場所(11月8日初日、両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇・正代(28=時津風部屋)の大関昇進を満場一致で正式に決めた。正代は都内の時津風部屋で行われた昇進伝達式の口上で「至誠一貫」の四字熟語を用い、誠実な土俵態度を貫くことを強調した。

 「元々、硬くなるタイプ」と自認している正代だが、“大関初仕事”の昇進伝達式では初優勝を飾った秋場所と同様に堂々としていた。「とりあえずホッとしています。じわじわ来る緊張感があった。かまずに止まらずに言えたのでまずまずです」。柔和な表情を取り戻した会見で胸の内を明かした。

 伝達式の口上では「大関の名に恥じぬよう、至誠一貫の精神で相撲道にまい進してまいります」と述べた。「至誠一貫」は部屋の後援会「木鶏会」のメンバーが好んでいる言葉で、口上に使ってほしいという要請を受けていた。この上なく誠実という意味の「至誠」は正代にとって「これからこうなりたい」という言葉でもあった。これまでも真摯(しんし)に土俵と向き合ってきたが、看板力士になることで「相撲道に対して誠実で、最後まで貫き通す」と気持ちを新たにした。

 前向きな発言が少なく、ネガティブな一面がクローズアップされてきた。裏を返せば、それだけ慎重ということ。「今まで以上に負けられない地位。今まで以上に精進していきたい」と決意を口にしながらも、新大関となる11月場所について問われると「まずは大関として勝ち越しを目指す」と控えめな目標を口にした。

 大関は優勝争いに加わることが使命であり、その先には最高位がある。双葉山が起こした名門・時津風部屋からの横綱誕生を期待されていることは理解しているが「今の段階では難しい。まずは大関として存在感を示してから」と捉えている。正代より年下ながら先に大関に上がった貴景勝が「夢はまだかなっていない。次の番付を目指す」と話し、朝乃山が「もう一つ上の番付があるので、そこを目指して頑張る」と誓ったのとは対照的だった。

 秋場所では圧力を生かした前に出る相撲で貴景勝、朝乃山を連破した。それでも強気にならずにほのぼのとしているのが、正代の正代たるゆえんだ。「たくさんの方に憧れていただけるよう、これからも頑張っていきたい」。しっかりと足元を見つめながら、自身が思い描く大関像に向かって歩を進めていく。

 ◆至誠一貫 「至誠」はこの上なく誠実なこと、まごころの意味。安倍晋三前首相の座右の銘である「至誠にして動かざるものは、いまだこれあらざるなり」にも用いられている。「一貫」は、はじめから終わりまで、一つの仕方、考え方で貫き通すことを表す。サッカーの強豪である藤枝東高(静岡)の校訓にもなっている。

 ◆大関の待遇 日本相撲協会の看板として、横綱とともに各種行事に参加する。月給は横綱の300万円に次ぐ250万円。関脇、小結から70万円アップする。2場所連続で負け越すと陥落するが、関脇に落ちた場所で10勝以上すれば翌場所に復帰できる。場所入りは運転手つきの自家用車の利用が許され移動時の新幹線はグリーン車。海外公演などの航空機移動の際はファーストクラスとなる。横綱昇進は2場所連続優勝か、それに準じる成績が必要とされる。

 《大関昇進アラカルト》
 ▽年長 28歳10カ月での昇進は、年6場所制となった1958年(昭33)以降に初土俵を踏んだ力士では7番目の年長。
 ▽熊本県出身 62年夏場所後の栃光以来で2人目。
 ▽時津風部屋 63年初場所後の豊山以来5人目。
 ▽東農大出身 豊山以来で2人目。学生相撲出身は、他に輪島(日大)、朝潮(近大)、武双山(専大)、出島(中大)、雅山(明大)、琴光喜(日大)、朝乃山(近大)がおり、9人目。

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