飛び込み三上 貫禄3連覇!世界屈指の高難度技失敗も2位と10点差以上つけた

[ 2020年9月26日 05:30 ]

飛び込み日本選手権第1日 ( 2020年9月25日    新潟ダイエープロビスフェニックスプール )

<飛び込み日本選手権>女子3メートル板飛び込み決勝で1位になった三上紗也可の3回目の演技
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 女子板飛び込み決勝で、東京五輪代表に内定している三上紗也可(19=米子DC)が302・00点で3連覇を果たした。女子シンクロ板飛び込み決勝は榎本遼香(24=栃木DC)宮本葉月(19=近大)組が296・70点で優勝。男子シンクロ板飛び込み決勝は荒木宥図(ゆうと、24=NSP)須山晴貴(22=松江DC)組が408・60点で頂点に立った。

 最終5本目の演技。三上は女子では世界で数人しかできない大技5154B(前宙返り2回半2回ひねりえび型)を繰り出した。ひねりが足りずに入水が乱れて37・40点。締めくくりが失敗ジャンプとなっても、2位と10点以上の差をつけた。昨夏の世界選手権で5位となり日本人初の入賞を果たしたエースが、貫禄の3連覇だ。

 2月の国際大会派遣選手選考会以来の大会で結果を出し「久しぶりの試合で緊張して、予選は足が震えて呼吸も浅くなった。決勝前に“楽しめればいい”と切り替えられたのが良かった」と笑顔を見せた。

 コロナ禍による外出自粛期間中は太らないように食事に気を使い、体重が約3キロ落ちた。安田千万樹(ちまき)コーチから「これを機に体重が減った状態で競技をしてみたらどうか」と提案され、体重を戻さずにプールでの練習を再開。筋量が減り技の迫力は落ちたものの、体脂肪率低下で回転などの切れは増した。練習拠点を地元の鳥取から日体大に移し、刺激を受けたことで延期された東京五輪へのモチベーション維持にもつながった。

 今大会は目標を351・00点に設定。自己ベストの339・65点にも届かなかったが、5154Bを決めれば、ともに手が届いた数字だ。三上は「東京五輪では380点は出さないとメダルに届かないと思う。5154Bは今の精度では使えない。東京五輪までに完璧にできるように必ず間に合わせたい」と力を込めた。

 今後は体脂肪を維持しながら筋力強化で体重を戻す方針。手に入れた切れに、持ち味の力強い踏み切りが戻れば、来夏のメダルも現実味を帯びてくる。 

 ◆三上 紗也可(みかみ・さやか)2000年(平12)12月8日生まれ、鳥取県出身の19歳。小学2年から飛び込みを始める。米子ダイビングクラブでは94年広島アジア大会銅メダリスト・安田千万樹コーチの指導を受ける。中学3年時に腰椎の疲労骨折「腰椎分離症」となり、技の練習から1年近く遠ざかった。18年アジア大会4位、9月日本選手権で初優勝、19年4月の日本室内も優勝した。1メートル55、53キロ。 

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