【荒磯親方 真眼】隆の勝、腰の位置安定で充実一途

[ 2020年9月16日 05:30 ]

大相撲秋場所3日目 ( 2020年9月15日    両国国技館 )

<大相撲秋場所3日目>御嶽海(手前)を押し出しで破る隆の勝(撮影・久冨木 修)
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 隆の勝は御嶽海に密着されかけたところでいなしました。普通であれば、いなすと相手の肩よりも上に手が行くのですが、隆の勝は我慢して左はず、右おっつけを下から出していきました。それが御嶽海に引かせる要因となりました。上から攻めていくと、うまさもある御嶽海のはたきを食ってしまいますが、基本に忠実に下から押すイメージを持っているから、相手の懐に入ることができます。

 押し相撲の要は腰の位置です。今場所の隆の勝は腰の位置を一定に保っていて、下半身が崩れていません。上半身のうまい使い方ができるのも、下半身がしっかりしているから。充実ぶりがうかがえる相撲内容です。

 一方で初黒星の貴景勝は、引いた時に相手の肩より上に手が行ってしまいました。2日目までの下から突き上げるような相撲を取れなかったことが敗因です。同じ押し相撲の隆の勝と貴景勝は、手の位置で明暗が分かれました。 (元横綱・稀勢の里)

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