大坂、亡き“兄”コービーにささぐ いつものレーカーズ「8」ユニホーム姿で登場「力を与えてくれた」

[ 2020年9月14日 05:30 ]

全米オープン第13日 女子シングルス決勝 ( 2020年9月12日    ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター )

故コービー・ブライアント氏のユニホーム姿で優勝トロフィーを持つ大坂(本人インスタグラムから)

 優勝後の公式会見に大坂はレーカーズの背番号8のユニホームで臨んだ。そのまま、誰もいないコートで優勝カップを持った写真を撮影し、自身のSNSに掲載。「試合後にはいつもこのジャージーを着ていた。私に力を与えてくれたと思う。いつも」とつづった。

 1月にヘリコプター墜落事故で亡くなった元NBAのスーパースター、コービー・ブライアント氏は兄と慕う存在だった。テニスバッグにイニシャル「KB」の喪章パッチを付けており「自分がやったことを彼が誇りに思ってくれたらと思う」と思いをはせた。

 ブライアント氏の出版本に関する対談を機に昨年から親交を深めた。頻繁にメッセージを交換する間柄となり、落ち込んだ時は幾度となく勇気づけられる言葉をもらった。昨夏の全米オープンは同氏が大坂陣営の席で観戦してくれた。4回戦敗退で連覇を逃したが、1年後、天国に旅立ってしまった恩人へタイトルを届けられた。

 人種差別への抗議にも少なからず、ブライアント氏の影響がある。同氏は引退後の17年にNFLやNBAで人種差別への抗議として国歌斉唱時に起立しない行動が起きた際「私も現役なら絶対に参加した。警察の暴力を止めることを真剣に考えないといけない」と賛同。大坂は「彼は多くのレガシー(遺産)をくれた。1人の人がこれだけ多くの人に影響を与えるのかと思った。彼は私がそういう存在になれると思ってくれていて、将来的にそうなれたらいいと思う」と視線を上げた。

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2020年9月14日のニュース