“黄金世代”小祝、2位に6打差つける圧勝 笹生の連勝止める

[ 2020年9月7日 05:30 ]

女子ゴルフツアー ゴルフ5レディース最終日 ( 2020年9月6日    岐阜県 GOLF5カントリーみずなみC=6571ヤード、パー72 )

大会新の17アンダーで優勝し、カップを手に笑顔を見せる小祝さくら
Photo By 代表撮影

 首位から出た“黄金世代”小祝さくら(22=ニトリ)がこの日のベストスコア66をマーク。2位に6打差をつけ、大会新の通算17アンダーで今季ツアー初優勝を飾った。昨年7月のサマンサタバサ・レディースに続くツアー通算2勝目。黄金世代の複数回優勝は4人目となった。通算11アンダーの2位に古江彩佳(20=フリー)と開幕戦Vの渡辺彩香(26=大東建託)。3試合連続優勝を目指した笹生優花(19=ICTSI)は通算4アンダーの29位だった。

 2メートルのウイニングパットを沈めると帽子のひさしに右手を添えて軽く頭を下げた。昨夏のツアー初優勝時と同じ素っ気ない優勝シーン。「ギャラリーの方もいないので(ガッツポーズは)特にやらなくてもいいかなって」。人前ではめったに感情を表に出さない小祝らしく、歓喜のガッツポーズや涙はなかった。

 スタート前から終始淡々。3番から連続バーディーを奪い、8番で17メートルのロングパットを沈めた時もその表情は変わらなかった。「目標の5アンダーに向かってプレーすることだけに集中してました」。7メートルを沈めた15番からの3連続バーディーで勝利を決定づけた時も自分のプレーに没入。2位に6打差で迎えた最終18番。第2打をグリーン奥のカラーに運び、初めて勝利を意識したという。

 今季の開幕戦となった6月のアース・モンダミンカップで13位。数字だけ見れば、決して悪い滑り出しではないが、昨年暮れに「年間3勝」という高い目標を立てた辻村明志コーチと小祝の間では「あれだけショットが良かったのになぜ」と容易には受け入れられない結果だった。

 鬼の特訓が始まったのは大会翌日から。午前中は朝6時から弱点だったショートゲームの強化に充て、午後は打ち込みとラウンド。そして、夜は再び打ち込みと筋力トレーニング。「これだけやってダメならと真剣に考えました。それだけの練習にサク(小祝)は2カ月耐えました」と辻村コーチ。しかし、自信を持って臨んだ前週の地元北海道でのホステス大会、ニトリ・レディースでは、またしてもパットが決まらず笹生の逃げ切りを許した。そして、今大会の舞台は2年前、申ジエにプレーオフで敗れ、初めて悔し涙を流した場所。変わらぬ表情の下ではふつふつとリベンジに燃える思いが湧き上がっていた。

 「賞金女王は一番獲りたいタイトルではあるのでそれを目指して頑張ります」。他を寄せ付けなかった強い勝ち方。昨季最後の最後で渋野が逃した黄金世代初の賞金女王へ、小祝が名乗りを上げた。

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