データで見る八村の第47戦 キャッチ&シュートに見る不可思議な数字 透明人間の圧力?

[ 2020年8月10日 05:03 ]

第1Q3分37秒、ゴール下でシュートに持ち込む八村(AP)
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 サンダー戦の第3Q2分59秒。左のベースライン際を突破したウィザーズのガード、イッシュ・スミス(32)が左のウイングでノーマークとなっていた八村塁(22)にキックアウト。八村は距離27フィート(8・2メートル)の3点シュートを放ったが、リングの右手前に当たって入らなかった。ウィザーズのオフェンスとしては珍しくパスがスムーズに5回つながった場面。八村はジャンプしてから右足を前に少し投げ出してバランスを取って慎重にリリースしたが、3点シュートの成功率は今季28・6%で、課題はまだ残ったままだった。

 この3点シュートはスミスからパスをもらってドリブルすることなく放ったいわゆる「キャッチ&シュート(CS)」での一投。これは体のブレが少なくてすむために確率の高いショットになるはずだが、どうもここで八村はまだ苦しんでいる。ドリブルしてから放つ「プルアップ・ジャンパー(PJ)」ではこの日も1本成功。ボールを動かしたあとのジャンプシュートの成功率は今季41・4%とまずまずの数字を残している。

 当然の結果かもしれないが、ほとんどの選手は体のブレが少なくてすむCSでの成功率の方がPJよりも高い。今季リーグ2位の30・5得点を挙げているブラドリー・ビール(27)は相手のチェックがきびしいゆえにPJが38・4%に対してCSは37・9%と下回っているが、シューターのダビス・バターンズ(27)はPJが38・6%に対してCSは41・9%。この日のサンダー戦に出場したメンバーのCSでの成功率を見るとイサック・ボンガ(20)が40・0%、トロイ・ブラウンJR(21)は39・0%となっている。

 ではパスをもらってドリブルすることなく、すぐにジャンプシュートを放っている八村の成功率はどれほどかというと、これが32・2%なのだ。PJと比較するとなんと9・2ポイントのダウン。ちなみにグリズリーズに所属している渡辺雄太(25)はどちらも37・5%で、CSでのショットを不得手にしているわけではない。

 八村の今後の課題としてよく「NBAのプレッシャーをはねのけること」と語られることがあるが、ことジャンプシュートに限って言えば「目の前に誰もいない」ということが逆に見えないプレッシャーになっているのかもしれない。

 待ってましたというノーマーク・シチュエーションからのスムーズな流れの中でのキャッチ&シュート。目の前にいる“透明人間”の圧力をふり払えれば、八村の得点は飛躍的に伸びることをデータは指し示している…と私は信じていたい。(高柳 昌弥)

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