【玉ノ井親方　視点】朝乃山　連勝は工夫した稽古の成果、不安感じられない

大相撲7月場所2日目 （ 2020年7月20日    両国国技館 ）

＜大相撲7月場所2日目＞遠藤を寄り切りで破る朝乃山（中央右）（撮影・西海健太郎）
Photo By スポニチ

　朝乃山は相撲巧者の遠藤に対し、よく考えた相撲を取った。本来は右四つを得意とするが、遠藤にもろ差しになられないようにするために、あえて左差しを狙いにいった。遠藤にすれば、いつもの立ち合いと違っていたので、面をくらったのではないか。大関の圧力に押されるように、少し後ろに下がってしまった。

　朝乃山は左を差すような形になりながら、上手を取り、右も使って両上手を取った。それで引き付けながら前に出た。前傾姿勢の形がいいから体勢が崩れず、力強さが感じられる相撲だった。

　今場所は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、どの力士も十分に稽古ができなかったと思う。朝乃山も状況は同じだろう。だが、自分なりに工夫して稽古を重ねてきた成果で、この2日間の相撲を見る限り、不安は全く感じられない。ただ、連勝は伸ばせるうちに出来るだけ伸ばしておいた方がいい。序盤から中盤、そして終盤にかけて稽古不足の影響はスタミナ面で確実に出てくる。最後は横綱、大関を含めた上位陣の気力勝負になる。（元大関・栃東）