NBA用具係の壮絶な戦い 長期遠征で荷物は4倍増 新型コロナの影響で担当は1人だけ

[ 2020年7月13日 10:38 ]

NBAマジックのダイヤモンド用具マネジャーの部屋を埋め尽くす選手のスーツケース(AP)
Photo By AP

 NBAの再開シーズンに参加する22チームはすでにフロリダ州オーランドの「ESPNワイドワールド・オブ・スポーツコンプレックス」に集結しているが、新型コロナウイルス感染リスクを回避するために1チームの総勢は35~37人に制限。遠征の際に通常2人いる用具担当者は1人に削減された。

 しかし通常のシーズンならばどんなに長くでも2週間以内で済む遠征が、「オーランド・バブル」と呼ばれる再開シーズンでは短くても5週間、長ければ3カ月に達するために運ぶ荷物の量が極端に増加。AP通信はかつて経験したことのない労働量をこなしているチームの用具担当を取材し、そのきびしい舞台裏を報じている。

 一括開催の舞台となったオーランドを本拠にしているマジックのジェイコブ・ダイアモンド用具マネジャーは、宿泊しているホテルに2部屋を確保。しかしその部屋は選手の荷物を詰め込んだスーツケースで埋め尽くされていた。

 「少なすぎるより、多すぎる方がまだいいんです。毎日が戦争。どのチーム(の用具担当者)も同じ」とダイヤモンド用具マネジャーは現在、今回だけ採用された社会的正義を訴えるメッセージ入りの新ユニフォーム(各選手3セット)の到着を待っているところ。昨季のファイナル王者、ラプターズ(本拠はカナダ・トロント)のポール・エリオット用具マネジャーによれば、通常45個のスーツケースが今回は約4倍の176個に膨れ上がっており、これをトロント→フロリダ・ガルフコースト大(練習場所=フロリダ州フォートワース)と2度の“パッキング”をこなしてオーランドまでたどり着いている。

 大変なのは1人になったために負担が倍増したユニフォームやソックスなどの日々の洗濯。各チーム、計22人の用具担当者は現在、練習が終わると荷物をすべて持ってホテルに戻り、そこからシャトルバスに乗って、かつて大リーグのブレーブスがキャンプ時に使用していた打撃練習場に直行。そこには66台の洗濯機と乾燥機が用意されており、そこですべての作業を1人で終えてからホテルに帰る日々が続いている。もしファイナルにまで進出すると3カ月間、この生活が続くため、ヒートのエリック・スポールストラ監督は「普段とは状況は違う。選手も洗濯や掃除をすることになるだろう」といわゆる日本の学生が経験する“合宿生活”と同じような生活になる可能性も示唆した。

 フロリダ州では新型コロナウイルスの感染が急速に拡大しているが、検査で陽性反応を示した場合の選手の穴埋めはいても、用具担当者には“控え”は不在。各チームに1人しかいない貴重な“戦力”は感染防止策を取りながら、懸命に職務をまっとうしている。

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