川内優輝が調査、コロナで激変した世界のランニング環境

[ 2020年4月10日 05:30 ]

世界のランニング環境を調査した川内
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 男子マラソンの川内優輝(33=あいおいニッセイ同和損保)が、レース外で奮闘していた。幅広いネットワークを生かし、新型コロナウイルスの感染拡大で激変した世界のランニング環境を調査。約30カ国に及ぶデータを集計して自身のツイッターで発信すると、世界陸連も公式アカウントで紹介するなど注目を集めた。電話インタビューに応じた川内は独自の取り組みに至った理由や、コロナ終息後に力を注ぎたい活動などを語った。

 新型コロナウイルスの脅威は、世界からスポーツの火を消した。もちろん、川内の主戦場であるマラソンも。出場を予定していた10大会以上が中止となり、講演会やランニング交流イベントも開催不可能に追い込まれた。

 「ここまでひどいことになるとは…。2月中旬とかには予想していませんでした」

 国内外のウイルス感染拡大のニュースに触れるうち、世界各地のランニング環境が気になった。少しでもランナー仲間の力になるために調査を決意。これまで世界各国を駆け、幅広いネットワークを構築してきた。3月末、自身のSNSで情報提供を呼び掛けると、多くの反応があった。

 「本当の情報が知りたくて“皆さんの国ではどうなっているか教えてください”と発信しました。10カ国くらい集まればいいかなと思っていたのですが、1日で30カ国くらい集まりました」

 川内の調べによると外出禁止により、屋外でのランニング不可はスペイン、アルゼンチン、マレーシアなど。一部都市で禁止されている国も含めると9カ国。1時間以内や日中の限られた時間のみ許可されている国も、ケニアなど10カ国に上る。集計したデータを自身のツイッターで投稿すると、世界陸連も公式アカウントで紹介した。

 「思っていた以上に世界が大変なことになっていると実感しました。世界の現状を知ることで、今後の対策や準備の参考にしてもらえればと思います」

 7日、政府は東京など7都府県を対象に緊急事態宣言を発令。安倍晋三首相はジョギングは問題ないという見解を示した。

 「今は基本的に一人で走るようにしています。競技力向上というよりは健康維持のために。人混みは避けて、誰かが周りにいたら、いつも以上に意識して間隔を空けるようにしています。気を付けながらでも走れるのは、まだ恵まれています。そういう環境は、一人一人が意識して守っていかないと」

 昨年4月、公務員に別れを告げた。走ることを職業とし、積極的に国内外を転戦。趣味の観光も兼ねて各地を知り、地域振興にも力を注いできた。オンリーワンのプロランナーとして駆けてきたが、その生活は一変した。

 「仕事も趣味も、全部コロナにぶっ壊されてしまいました。今のところ、手の打ちようがないです」

 厳しい現状を受け止めながら、今後の活動に目を向ける。

 「コロナが終息したら、今まで以上にいろんなところに行きたいと思っています。走るのはもちろん、スポーツを通じて得た明るい経験を話したり。壊されてしまった観光や地域振興とかも取り戻すような取り組みをやっていきたいですね」

 ウイルスとの闘いがゴールを迎えた時、川内は再び日本を、世界を熱く駆ける。(杉本 亮輔)

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