中大法学部卒の大鵬の孫、前相撲デビュー「緊張感はありました」

[ 2020年3月10日 10:11 ]

大相撲春場所3日目 ( 2020年3月10日    エディオンアリーナ )

<大相撲春場所3日目前相撲>逢松龍(左)を破った鵬山(撮影・坂田 高浩)
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 昭和の大横綱・大鵬の孫で納谷兄弟の二男・鵬山(22=大嶽部屋)が前相撲デビューした。

 注目の一番は立ち合いから突き放していき、回転のいい突っ張りであっさりと押し出した。

 取組前は「緊張感はありました。呼び出されて土俵に上がることが(学生時代は)なかったので」と多少硬さはあったものの「土俵に上がってからは、あれこれ考えても仕方がないので。やれることをやろうと思うだけでした。しっかり相手を見て取れました」と表情を緩ませた。

 今春、中大を卒業し角界入り。すぐ下の弟・納谷は2年前にデビューし幕下まで番付を上げている。一番下の弟・夢道鵬も今年の初場所で一足先にデビューし6勝1敗と好スタートを切った。

 「2人は兄弟子なので」と相撲を始めたのは弟たちよりも早かったが、番付社会のしきたりを受け入れ、今はちゃんこ番の手伝いや部屋の掃除など新弟子の務めを手を抜かずに果たしている。
 本場所が始まる前に師匠の大嶽親方(元十両・大竜)からしこ名を付けてもらった。

 「祖父の鵬の字をもらって気が引き締まります。名前に恥じないようにやっていきたい」

 記念のデビュー場所は無観客となり、ガランとした館内には呼び出しと行司の声だけが響いた。「今までお客さんがいる中で取ったことがないので、違いが分からなかったですね。ただ、広い会場で普段より緊張しました」と振り返った。

 相撲のスタイルは祖父のような四つに組んで取る形ではなく、実父の元関脇・貴闘力をほうふつとさせる突き押し相撲。「器用なことはできないので突き押しを磨いていきたい。ますは十両を目指して。2、3年のうちに上がりたい。勝負は十両に上がってからですから」。相撲一家に育ち、弟たちと同様に常に注目される存在だが「みなさんに注目してもらえるのはありがたいと思っています。それに見合った力を付けていきたい」と決意を口にしていた。

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2020年3月10日のニュース