運営ドタバタ…競歩Ⅴ争いに水差す 違反警告を誤表示

[ 2020年2月17日 05:30 ]

陸上・東京五輪代表選考会兼日本選手権20キロ競歩 ( 2020年2月16日    神戸市・六甲アイランド甲南大周辺コース )

警告数を示すホワイトボードは当初、1番の高橋には両足が同時に浮く反則を示す破線の表示が2枚あったものの、16キロで間違いに気付いた審判が慌てて1枚をはがした
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 男子の優勝争い中に、警告の数を誤表示する前代未聞のミスが起きた。5連覇中の高橋英輝(27=富士通)は、本来は受けていない2枚目の警告をもらった状態で8キロを歩いた。16キロで間違いに気付いた審判が、慌ててホワイトボードの紙をはがして訂正するドタバタ劇。心理的影響は計り知れない。19年世界選手権で金メダルを獲得し、東京五輪代表を決めている山西利和(24=愛知製鋼)が1時間17分36秒で初優勝したが、審判のミスで東京五輪代表争いに水を差した。今大会で男子の代表当確は出なかった。

 優勝争いの終盤16キロで、あってはならないミスが明らかになった。15キロからの1周で、5連覇中の高橋が歩型違反をしたとして、3枚目の警告が表示された。

 警告を3枚もらえば、2分間の一時待機の罰則を受ける。しかし、担当審判はスルー。別の審判から「なんで! 3枚目じゃないの」の声が飛んだ。「こっちは把握していない」。集計エリア近辺がざわつく。数十秒後、ホワイトボードの高橋の欄に2枚あった「ロス・オブ・コンタクト(両足が同時に浮く)」のマークが1枚、慌ててはがされた。

 高橋は4キロで1枚目、8キロで2枚目をもらった。しかし、2枚目は、本来はなく、完全な誤表示だった。歩型違反を見る審判の判定は、集計エリアの別の審判に集まる。そこで指示された学生補助員が、ホワイトボードに反則を張り出す流れだった。

 なぜ、ないはずの2枚目が張られたのか。藤崎明審判主任は、伝達ミスや他選手の反則を誤って記したのではないという。明らかなのは、集計と実際の表示が異なっているかをチェックをしなかったために“謎の1枚”が生まれたことで、「確認を怠った」と非を認めた。

 選手はホワイトボードでしか反則数を把握できない。3枚と思ったら止められず、次の周には2枚に減っていた高橋は「付いて、消えた。混乱して歩いていた」と心境を明かした。結果的に18キロで3枚目をもらって、3位に沈んだ。8キロで早くも2枚目を掲示されたことによる精神的重圧が、終盤の歩型乱れにつながった可能性も否定できない。

 山西は高橋の反則数を見ながら仕掛け時を考えていた。圧勝とはいえ「3枚か、2枚かという運営側のあれは少し、勝負に水を差すものだったと思う」とライバルに配慮した。従来の2キロ周回から1キロ周回に変更し、五輪仕様で行われた代表選考レース。9人の審判員のうち、5人は東京五輪を担当する。後味の悪さが残った。
 
 ◇競歩の五輪への道 代表枠は男女各種目3。20キロは来月15日の全日本能美大会、50キロは4月12日の日本選手権(石川・輪島)で日本人最上位者が内定する。即時内定が出なかった場合は国内選考会日本人3位以内の選手から記録や順位、レース展開などを踏まえて選考される。いずれも参加標準記録を突破していることが条件。

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