ラグビー日本代表・ジョセフHC 21年秋開幕の新リーグに“待った” 1~5月開催を強く要望

[ 2020年1月30日 05:30 ]

会見を行った日本代表のジョセフ・ヘッドコーチ(左)
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 ラグビーのW杯日本大会で日本代表を8強に導き、23年末まで契約を更新したジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、50)が29日、東京都内で記者会見し、トップリーグ(TL)や21年に始まる新リーグの開催時期が、7、11月のテストマッチ期間を挟まないよう強く要望。日本協会が21年「秋」のスタートを目指す新リーグ構想に、いきなり反旗を翻した。

 前日に日本協会が参入要件を発表した新リーグの開始時期について、ジョセフHCがいきなりNOを突き付けた。会見冒頭でW杯期間中の国民のサポートや、続投を決めた理由などを語った指揮官は、「W杯の結果は選手の取り組み次第でやろうとしたことが達成できると証明した」と話し、切り出した。

 「トップリーグのストラクチャー(構造)や、やり方は考え直さなければいけない。私の考えでは、現在のTLはタイミングとして非常に適正と考える」

 以前のTLは初秋に開幕し、年明けに閉幕するのが通例だった。一方でW杯の影響で開幕が遅れた今季は、1~5月のイレギュラーシーズン。ただこのサイクルが定着すれば、7、11月のテストマッチの間にTLを挟むことなく、強化合宿、選手の休養に適切な時間を充てられる利点がある。「日本は今後も強くならないといけないが、選手のウエルフェア(身の安全)は優先事項。(十分満たすことで)選手は最大限のパフォーマンスを発揮できる」と訴えた。

 実際に就任1年目の16年秋は、初戦アルゼンチン戦に向けて集合したのがわずか6日前。新戦術導入も重なり、20―54と大敗した。一方で昨年は1カ月超の強制休養期間を経て、2月に合宿を開始。格下チームとの練習試合もW杯の好結果につながったと考えており「(以前の構造は)長続きしないと思った。今の日程は非常にいい。強化合宿とウオームアップゲームの2つは最低限必要」と力説した。

 母国ニュージーランド代表を指揮するチャンスもあった中、日本に戻った理由を「日本を強化、発展させる義務があると感じた」と語った。23年W杯で責務を果たすための要望に、日本協会やTL各チームがどう応えるかが注目される。

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2020年1月30日のニュース