桐蔭学園・藤原監督 就任18年、悲願達成に涙「花園の神様がほほ笑んでくれた」

[ 2020年1月8日 05:30 ]

第99回全国高校ラグビー大会 決勝   桐蔭学園23―14御所実 ( 2020年1月7日    大阪府東大阪市・花園ラグビー場 )

<全国高校ラグビー 御所実・桐蔭学園>フィフティーンに胴上げされる桐蔭学園・藤原監督(撮影・北條 貴史)
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 単独優勝を告げる笛が鳴ると、桐蔭学園・藤原秀之監督(51)はうつむいたまま動かなかった。眼鏡を外し、両目を拭う。02年の就任から18年、桐蔭学園を“決勝の常連”に引き上げながら過去6戦未勝利だった。「2度とウチには優勝が転がり込んでこないのでは、と思っていた。花園の神様がほほ笑んでくれた」。声は震えていた。

 関西勢の大型FWや東福岡の圧倒的な攻撃力の前にあと一歩届かなかった。「全国では何か一つでも欠けていたら勝ちきれない」。展開ラグビーを継続しつつFWを鍛え、多彩な戦術を備え、今大会は控え選手に相手校の特徴を調べさせて“プレゼン”させるなど、試合前の準備では細部にこだわった。この日は前半、SO伊藤のキック主体に戦いながらミスが出て苦戦。後半はSHを正確なプレーが持ち味の島本に代え、ボールを継続して展開を変えた。一つの作戦に固執しすぎた過去の反省を生かし、「いろんな生徒に教えられた」と感謝を口にした。

 自身は85年度に大東大第一(東京)のWTBとして花園で優勝。当時は本郷との東京対決だったが、現在の高校ラグビー界は西高東低が続く。「ようやく箱根を越えることができた。少しは風穴をあけられた」。東の横綱の指揮官は胸を張った。

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