常翔学園 ラストプレーで逆転トライ!急造WTB生駒が決めた!大阪勢最後のとりで守った

[ 2020年1月4日 05:30 ]

第99回全国高校ラグビー第5日・準々決勝   常翔学園27―24京都成章 ( 2020年1月3日    東大阪市・花園ラグビー場 )

後半31分、生駒(左端)の逆転トライに喜びを爆発させる常翔学園フィフティーン(撮影・大森 寛明)
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 Bシードの常翔学園(大阪第2)がラストワンプレーの逆転劇で、Aシード京都成章(京都)に27―24で勝ち、7大会ぶり4強に進んだ。後半にスコアが二転三転した好ゲーム。急造WTBの生駒創大郎(そうたろう、3年)が決勝トライを挙げ、大阪最後のとりでを守った。

 どんなに腕利きの脚本家でも、これ以上のシナリオは描けない。4点ビハインドの後半31分のラストプレー。30メートル左中間ラックから流れるようなパスを受けた常翔学園のWTB生駒が中央へ劇的な“サヨナラ”のトライ。左手でボールを天高く放り投げると、あっという間に歓喜の輪ができた。東海大大阪仰星、前年覇者の大阪桐蔭が準々決勝で姿を消したが、大阪勢最後のとりでを守ってみせた。

 「自分でどうにかトライをせなあかんという思いが強かった。ラグビーをしてきてよかった。人生で一番幸せな瞬間でした」

 瞬時の判断が生んだミラクルだった。そのまま加速して左を突破するかと思われたが「ディフェンス2人がかぶっていたので、思い切って内を突きました」と方向転換して相手の意表を突き、タックルを完璧にかわして中央へ一直線。地鳴りのような歓声がいつまでも聖地にこだまし、監督歴29年の野上友一監督(61)に「今日は力を1000%出した。こんな気持ちは初めて」と言わしめた。

 背番号11には負けられない理由があった。同級生の主力メンバー、WTB埜村正章が大会前に足首を負傷し入院。SOやFBを主戦場としていた生駒は大会2週間前からWTBを務めることになった。2回戦からスタンドで声をからす埜村とは、毎日のようにSNSで連絡を取り合う仲。「俺の分まで頑張ってくれ」。左腕に親友の白いリストバンドを着けて試合に臨み、思いに応えた。友情が見えない力をくれた。

 準決勝の相手は御所実に決定。3月の近畿大会5位決定戦では0―7で苦杯をなめ、全国への道を阻まれた因縁のライバルに雪辱する絶好の機会だ。「大阪は強い。それを見せたい。チーム一丸、ONE TEAMで戦いたい」。7年ぶりの頂点へ立てば史上初の3元号Vの快挙となる。常翔学園のミラクルにはまだ、続きがある。

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2020年1月4日のニュース