南ア・初の黒人主将コリシ W杯最多3度目歓喜へ「役目果たす」2日18時決勝VSイングランド

[ 2019年11月2日 05:30 ]

ラグビーW杯2019 決勝   南アフリカ ―イングランド ( 2019年11月2日    日産ス )

南アもONE TEAM!!南アフリカを1つにまとめるコリシ主将(撮影・吉田 剛)
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 ラグビーW杯決勝のイングランド―南アフリカは2日、キックオフを迎える。07年大会決勝の再現となったカードで南アが勝てば、ニュージーランドに並ぶ史上最多3度目の優勝。イングランドなら16年ぶり2度目の世界一となる。両チームは1日、千葉県内と都内で最終調整を行った。3位決定戦はニュージーランドがウェールズを40―17で破り、03年大会以来の3位となった。

 W杯決勝が記念すべき代表50キャップ目。だが、前日会見に臨んだコリシ主将は「大事なのはチームのために役目を果たすこと。それ以外は二の次」と言い切った。南アにとって、イングランドを15―6で下した07年大会以来12年ぶりの世界一のチャンス。「特別な試合だから気持ちは高ぶるが、感情をコントロールすればパフォーマンスは上がる」とリーダーらしく話した。

 ポートエリザベス郊外にある黒人居住地区の生まれ。貧しい家にはベッドもテレビもなかった。マンデラ大統領の下、人種隔離政策を撤廃した南アがW杯で初優勝した95年大会は覚えていない。それでも16歳だった07年、近所の食堂に出掛けてテレビで見た2度目の世界一には強烈な印象を受けた。「国が一つになった。そこから自分も、チームのためにプレーしようという気持ちが強くなった」。

 13年に代表入りし、昨年5月に南ア初の黒人主将に就任。一時は世界ランク8位まで落ち込んだチームを立て直し、W杯決勝へと導いた。「さまざまな人種がいるのが我々の強み。それを世界へ見せたい。団結すれば何でもできるというところを」。背番号は95年W杯決勝でマンデラ大統領がまとっていたジャージーと同じ「6」。黒人主将率いるチームが世界一になれば、三たび国が一つになると信じている。この日は父フェザケレさんが応援のため来日。海外旅行も初めてだそうで、「ラグビーのおかげで家族がこんな経験をできた」。感謝の思いも決勝にぶつける。

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