【菊谷崇 キャプテン目線】スコットランドの堅守崩した「我慢強さ」と「高速アタック」

[ 2019年10月15日 08:29 ]

ラグビーW杯2019 13日スコットランド戦分析

スコットランド戦でラファエレのグラバーキックから福岡がトライを決める(撮影・吉田 剛)
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 2011年ラグビーW杯日本代表主将の菊谷崇氏(39)が、日本戦を細かく分析する「キャプテン目線」で、13日のスコットランド戦を振り返った。2戦連続無失点中だった堅守を崩した日本の「我慢強さ」と「高速アタック」に言及。途中出場でチームにエネルギーを与える「インパクトプレーヤー」として活躍したプロップ中島イシレリ(30=神戸製鋼)とSH田中史朗(34=キヤノン)を高評価した。

 日本の攻撃の我慢勝ちだ。スコットランドの守備は非常に強固でなかなか崩せなかった。最初の20分は特に苦しめられたが、キックで逃げずに展開ラグビーを続けたことが、切り崩す要因になった。しかも単純な攻撃ではなく、高速アタックで、スペースを突いた点が秀逸だった。

 スコットランドは序盤にいくつかジャッカル(タックル後にボールに絡むプレー)に成功した。ボールを奪ったことで、「取れる」と踏んで密集に人数を割いた。ところが、日本のサポート選手の寄りが速く、SH流がスムーズにパスをさばくようになると、密集に人数をかけていた分、駒不足になってスペースが生まれた。日本がそこを突き始めると次第にスコットランドは密集に手数をかけなくなった。

 密集の圧力が減ればしめたもの。日本は余計に攻撃のテンポが上がって、次々にスピーディーな連続攻撃を仕掛けた。高速の展開で揺さぶったことで、また新たなスペースが生まれた。相手バックスがその穴を埋めようと上がった瞬間、CTBラファエレがディフェンスラインの裏へグラバーキック。福岡がつかんで、前半終了間際のトライを生み出した。状況判断が素晴らしかった。

 9月の南アフリカ戦とW杯開幕ロシア戦では、肉弾戦で苦しめられ、キックで簡単にボールを相手に渡した。その反省だろう。第2戦のアイルランド戦はボールをキープして勝利。継続を、スコットランド戦でも貫いた。

 【日本―スコットランド戦VTR】日本は素早い攻めで競り勝った。前半6分に先制トライを奪われたが、巧みにつないでWTB松島、プロップ稲垣がトライを奪って逆転。39分にはCTBラファエレの低いキックを拾ったWTB福岡が決めた。14点リードで迎えた後半は福岡が走り込んで貴重な4トライ目を奪い、その後に2トライを挙げたスコットランドの猛追をしのいだ。

 ◆菊谷 崇(きくたに・たかし)1980年(昭55)2月24日生まれ、奈良市出身の39歳。フランカー、No・8。御所工(現御所実)―大体大―トヨタ自動車―キヤノン。サラセンズ(英国)でもプレーした。世界規格の突破力、体を張ったプレーで信頼を得た。代表通算32トライは日本歴代3位でフォワードでは最多。11年W杯出場。17年度で引退。日本ラグビー協会リソースコーチ。

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