ジャンプしないのに両手はリングの上 体脂肪は2・9% NBAドラフト候補生驚きのボディー
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【高柳昌弥のスポーツ・イン・USA】NBAのドラフトは6月20日にニューヨークで行われるが、それを前にして「コンバイン」と呼ばれる指名候補選手を対象にした恒例の身体測定会が15日から19日までシカゴで開催された。
全体トップ指名が有力となっているデューク大のザイオン・ウィリアムソン(18)や、日本選手初の1巡目指名が有力視されているゴンザガ大の八村塁(21)らは姿を見せなかったが、ドラフトを前にして“霊長類”としてはユニークな特徴を持った選手たちが集結した。
男性で15~20%が目安(諸説あり)とされる体脂肪が最も少なかったのはシラキュース大(ニューヨーク州)でフォワードとしてプレーしていたカナダ・トロント出身のオーシェイ・ブリセット(20)で、2メートル3、92キロのサイズでわずか2・9%しかなかった。かつてブルズで活躍したマイケル・ジョーダンが3%台だったので、まさに極限まで“脂”をそぎ落としたボディーだ。1巡目の上位指名が予想されているデューク大のキャメロン・レディッシュ(19)も2メートル3、94キロで4・7%。計測した69人のうち68人が10%未満で、ボディービルダー並みの5%未満は18人を数えた。
たった1人、2ケタの大台?に乗せたのはルイジアナ州立大のフォワード、ナズ・リード(19)で14%。もっとも2メートル7、116キロの彼は体重を生かしたパワープレーが武器なので、体脂肪をそう簡単には減らせないという事情も絡んでいるようだ。
身長測定で最も高かった2メートル31のタッコ・フォール(23=セントラル・フロリダ大)は体重が131キロありながら、体脂肪は6・8%と意外に低かった。ただし各チームの関係者が驚いたのは体脂肪ではなく、むしろ「スタンディング・リーチ(両手の位置)」と「ウイングスパン(両手の長さ)」だったかもしれない。
バスケットボールのリングの高さは、競技が誕生した1891年以来、ずっと10フィート(3メートル5)のままだが、フォールが立ったままの状態で両手を真上に上げると指先の先端は高さ3メートル11の位置に達している。つまりジャンプしていないのに、両手はすでにリングの上。しかも両手を広げるとその長さは2メートル50(コンバイン史上最長)にまで達しており、昨季32試合に出場してマークした1試合平均のブロックショット数(2・6)は、この驚異的な高さと長さが生み出したものだった。
フォールには他の選手にはなかなか見られない特徴がまだ備わっている。フランス語圏のセネガルから16歳で米国に移り住んだが、英語はわずか9カ月で習得。高校では数学などの理系の科目で優秀な成績を残し、セントラル・フロリダ大ではコンピューター・サイエンスを専攻していた。NBAに次ぐ就職希望先はマイクロソフト社などIT関連企業。“ハイ・クオリティー”の頭脳を持った選手としても一目置かれている。
ゴンザガ大で今季大活躍を見せたフォワードのブランドン・クラーク(22)は、チームメートの八村とは違ってコンバインに参加。2メートル4、94キロ、体脂肪4・9%という測定値が出ているが、彼はジャンプ力でも非凡な才能を披露した。助走なしでは参加者中3番目の88センチ、助走ありでは同4番目の1メートル3を記録。もちろんこれを上回る選手たちは過去にも多数いたが、クラークの持ち味は今季の1試合平均で3・2回を記録しているブロックショットで、その能力を裏付ける数値として評価が上がる結果になった。すでに1巡目の指名では八村より先に名前をコールされると予想されており、彼にとってコンバインは有意義なイベントになったかもしれない。
身体測定で一番身長が低かったのはオーバーン大のジャレッド・ハーパー(21)で、靴を脱ぐと1メートル77。ただしご存知の通り、オーバーン大は今年のNCAAトーナメント(全米大学選手権)で初めてファイナル4まで進出したチームで、3年生だったハーパーは40試合で平均15・3得点、5・8アシストをマーク。3点シュートの成功率も及第点となる37・0%に達しており、超攻撃型のガードとして活躍してきた。つまり数値では劣っても実績は抜群。もし日本の選手でサイズで悩んでいる方がいるならハーパーの存在感の“大きさ”をぜひ学んでほしいと思う。
さて誰がどのチームにどの順番で指名されるのか?コンバインの数値はあくまで参考記録。優先事項は高さか?長さか?強さか?速さか?はたまたうまさか…。ではちょっとショックだったので私は体脂肪を少し落とそうと思う。せめてリードくらいにはしないとね…。そこのあなたもいかがでしょうか?
◆高柳 昌弥(たかやなぎ・まさや)1958年、北九州市出身。上智大卒。ゴルフ、プロ野球、五輪、NFL、NBAなどを担当。NFLスーパーボウルや、マイケル・ジョーダン全盛時のNBAファイナルなどを取材。50歳以上のシニア・バスケの全国大会には8年連続で出場。フルマラソンの自己ベストは4時間16分。今年の北九州マラソンは4時間47分で完走。
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