貴景勝、大関昇進 口上に「武士道精神」、示した不退転の決意

[ 2019年3月28日 05:30 ]

大関昇進伝達式で口上を述べる貴景勝。右は千賀ノ浦親方(撮影・亀井 直樹) 
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 日本相撲協会は27日、エディオンアリーナ大阪で大相撲夏場所(5月12日初日・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇・貴景勝(22=千賀ノ浦部屋)の大関昇進を満場一致で決めた。大阪市内で行われた昇進伝達式では「武士道」を入れた口上で決意を示した。

 本場所とは違う緊張感があった。大銀杏(いちょう)に紋付き袴(はかま)。正装した貴景勝は、昇進を伝える使者を待つ間、金屏風(びょうぶ)に向かって口元を動かしていた。9時50分、大阪市内の会場に出羽海親方(元幕内・小城ノ花)と西岩親方(元関脇・若の里)が到着。使者として昇進と祝意を述べると、新大関はあらたまって頭を下げた。

 「謹んでお受けいたします。大関の名に恥じぬよう、武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず相撲道に精進してまいります」

 突き押し一本を磨き続けた貴景勝。春場所で優勝した横綱・白鵬は、千秋楽一夜明け会見で貴景勝の相撲ぶりを称えつつ、安定感を増すために四つ相撲に取り組むよう勧めた。しかし、伝達式後の貴景勝は、今後もスタイルを貫く決意を明確にした。

 「押し相撲では、幕内も三役も大関も無理と言われた。だから頑張れる。美学ではないですが、自分が持っている少ない武器で生き残っていくしかない」

 父・一哉さん(57)の熱血指導の下、小学3年から、反骨心を原動力に走ってきた。小学校の卒業文集には「20歳で横綱、優勝は35回以上したい」と記した。この地位も志からすると道半ばだ。

 「両親と約束した夢はまだかなっていない。次の番付を目指す」太い体に綱を締めるまで、突き押しを極める。

 【貴景勝 光信(たかけいしょう・みつのぶ=本名・佐藤 貴信(さとう・たかのぶ)】
 ★生まれ 1996年(平8)8月5日生まれ、兵庫県芦屋市出身
 ★サイズ 1メートル75、169キロ
 ★家族 父・一哉さん(57)、母・純子さん(52)
 ★初土俵 14年秋場所
 ★新十両 16年夏場所
 ★新入幕 17年初場所
 ★通算成績 213勝116敗4休(28場所)
 ★幕内成績 125勝81敗4休(14場所)優勝1回
 ★得意 突き、押し
 ★ニックネーム タカノブ
 ★好きな芸能人のタイプ 堀田茜
 ★趣味 読書、海外サッカー観戦
 ★好物 白子、チャプチェ
 ★神曲 サザンオールスターズ「栄光の男」
 

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