清宮監督「監督業は引退」恩返しと地域貢献へ

[ 2019年1月30日 05:30 ]

02年の関西社会人Aリーグ優勝時の写真を手に思いを語る清宮監督(撮影・小久保 克治)
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 ラグビートップリーグ・ヤマハ発動機の清宮克幸監督(51)が29日、都内で退任会見を行い、監督業そのものから引退する考えを表明した。早大で5季、サントリーでの4季を合わせて通算17シーズンにわたって陣頭指揮を執ってきたが、第一線から退くと明言。今後はヤマハ発動機のチームアドバイザーや静岡県に立ち上げたスポーツクラブを通じて、ラグビー界へ恩返しをする。

 一時代を築いた名将の肉声を聞こうと、集まった報道陣は100人以上、テレビカメラも約10台。フラッシュを浴びながら登壇した清宮氏は冒頭のあいさつで「長きにわたってラグビー界を盛り上げようと活動していた。監督の清宮は今日をもって終わりになりますが、ラグビーを盛り上げるために(メディアと)一緒に行動していきたい」と語った。

 日本選手権を制した4年前の15年3月に行った会見では、「(W杯で)ダメな結果になれば僕も候補として名乗り出る」と日本代表ヘッドコーチへの立候補を表明した。現在のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチの任期は今年いっぱい。今後の展開次第では清宮氏への待望論が出る可能性もあるが、本人は「ない。時は逸したと思っている。(監督業)引退です」と否定。オファーが届いたら、との仮定には「あったら考えますけど」としたが、4年前との考えの違いは鮮明だった。

 今後はヤマハ発動機で後任の堀川隆延監督をサポートするチームアドバイザーを務めながら、自身が代表を務める企業でのスポーツ事業の展開、創設した総合スポーツクラブ「アザレア・スポーツクラブ」での活動と、三足のわらじを履く。同クラブの活動の一環として元日本代表の小野沢宏時氏を監督に迎え、7人制女子チームも新設する。「ラグビーへの恩返しと地域貢献。(事業との)この2つが大きな柱になる」と清宮氏。一切の未練を残さず、次の道で持ち前の行動力を発揮する。

 《プロ野球選手に 次男・福太郎育てる》清宮氏は家族からのメッセージ動画に感涙したことを明かした。

 チーム関係者による送別会の際に幸世夫人、プロ野球日本ハムの長男・幸太郎、次男の福太郎(早実中3年)のメッセージがサプライズで流れたといい「ちょっと泣いちゃいましたね。“格好良かったよ、パパ”みたいな感じです」と語った。今後は愛息たちの試合を観戦する機会も増えそうで、「福太郎をアスリートにするという仕事もある。父親の責任を果たす」と兄に続いてプロ野球選手に育てることを宣言した。

 ◆清宮 克幸(きよみや・かつゆき)1967年(昭42)7月17日生まれ、大阪市出身の51歳。大阪・茨田高からラグビーを始め、早大2年時に日本選手権優勝。4年時は主将として大学日本一。サントリーでも中心選手としてプレーし、01年に現役引退。01〜05年度に早大、06〜09年度にサントリーで監督を務め、11〜18年度はヤマハ発動機を指揮した。現役時のポジションはNo・8、フランカー。長男はプロ野球日本ハムの幸太郎内野手。

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