恩師が語る井上大仁の素顔 小柄でもダイナミック「常に冒険心のあるレースをしていた」

[ 2019年1月30日 10:31 ]

2020 THE STORY 飛躍の秘密

鎮西学院高でレースに出場した井上(右)                             
Photo By スポニチ

 長崎・鎮西学院高陸上部で井上を指導した入江初舟(はっしゅう)監督は「小さかったけど走りはダイナミックだった。向上心の塊で常に冒険心のあるレースをしていましたね」と当時を懐かしそうに振り返った。

 入江監督が井上を初めて見たのは中学2年時。小学生のように小さかった選手に「頑張っとるね、おまえ絶対速くなるぞ!」と声を掛けた。それが井上だった。最初に声を掛けられたことを井上は覚えていて、入江監督の下で成長すると決めた。

 高校入学後には「世界レベルの選手になる」という目標を掲げた。全国大会には一度も出場できなかったが、練習日誌には当時、鹿児島実高で全国区だった双子の「市田(孝、宏)に勝つ」と毎日書き続け、ひた向きに打ち込んだ。トラックの練習ではチームメートに負けることもあったが、ロードでの強さは光るものを感じていた。入江監督は「活躍するのはロードやけんね。マラソンや。と当時から言っていました」と冗談めかすが、すでに才能の片りんをうかがわせていた。

 昨年3月。入江監督は井上らと旧交を温め合う会を開いた。会の最後にはお互いに目標をしたためた。「井上は2時間4分30秒と書いてましたね。そういう目標を持ちながらやっていれば、本当に日本人も4分台になってくるんだと思います」。その約5カ月後に井上はアジアを制覇。次は五輪を狙う教え子に「彼は周りが強くなればなるほど自分も強くなる」とさらなる成長を期待している。

続きを表示

この記事のフォト

2019年1月30日のニュース