体操ニッポンの秘密兵器!16歳・北園丈琉、ストイックに目指す「東京」での栄光の架け橋

[ 2019年1月29日 10:00 ]

開脚で体の柔らかさを披露する北園と加藤綾子(撮影・会津 智海)
Photo By スポニチ

 【カトパン突撃!東京五輪伝説の胎動】体操ニッポンの秘密兵器だ。昨年10月にアルゼンチンで開催されたユースオリンピックで男子個人総合など5冠に輝いた北園丈琉(たける、16=清風高)。全ての時間をつぎ込み東京五輪の個人、団体で優勝するのがでっかい夢だ。はじけるバネのような“内村2世”と加藤綾子アナウンサー(33)との体操一色トーク。日本の伝統である「美しい体操」を突き詰める!

 ――ユース五輪5冠(個人総合、種目別床、つり輪、平行棒、鉄棒)おめでとうございます。目標としていた世界大会はどうでしたか?

 「タイトルを獲るために練習してきたので凄くうれしかった。日本の方がレベルが高いというのもあり、緊張はしませんでした」

 ――昨年5月のユース五輪選考会の直前にケガした時はどんな気持ちでしたか?

 「床の蹴り離しで左足首にヒビが入った。選考会に向け練習メニューをいろいろ考えながらやりました。足を使いだしたのは試合の2、3週間前。足以外の部分を鍛えました」

 ――本番へのプレッシャーは?

 「足が無理だとか考えたことがない。自信はありました。選考会直後に手術しましたし、今は痛みもないです」

 ――内村航平選手はユース五輪を見て「出来過ぎ」という感想でしたが?

 「うれしかったです。合宿で一緒になるとよく練習を見ます。内村さんはナショナル選手の中でも基本がきっちりしてる。着地にしてもしっかり止める」

 ――練習は参考になりますか?

 「鉄棒の離れ技のコバチとか。高さだったり、安定するためには、どうやってやるんだろうとか見てます」

 ――“内村2世”とも呼ばれていますが、内村選手はどんな存在ですか?

 「何をするにもお手本です。体操に関して本当に凄い。憧れの存在です」

 ――競技中に鉄棒で目が回ったりしないんですか?私は逆上がりくらいしかしたことがないのでどうなっているのかな、と思って(笑い)。

 「はっきりは見てはないですね。下は確認してる。鉄棒なら手を離した位置と、鉄棒を持つ瞬間を見たりします。慣れているので目は回らないです」

 ――3歳の時に側転している北園選手を見てお母さんが体操教室に通わせた。それだけ衝撃的だったんですかね?

 「仮面ライダー響鬼を見てライダーになりたいと思ってました。おもちゃのベルトをして側転。教えてないのにやってるからびっくりしたと思います(笑い)」

 ――ご自身の長所は?

 「目標を明確に定めて、しっかりした気持ちでそこに向かう。力強い体操、技のさばき方も自分のいいところだと思います」

 ――お手本にしている選手は?

 「中国の鄒敬園(スウケイエン)選手の平行棒は凄い。世界選手権のDVDを何回も見返します。日本人選手は、それぞれ良いところがあるので、そこをしっかり見ます」

 ――日本の伝統である「美しい体操」については?

 「みんな目標としているもので、意識してやってます。技や膝、爪先の美しさ。それが両方できてるのが良い体操です」

 ――シニアとジュニアの差はどのように感じてますか?

 「“凄いな”とは思わなくなってきています。もう少しで追いつけるという目線で見られるようになった。これまでの積み重ねだと思います」

 ――東京五輪まであと1年半ですね。

 「アッという間に過ぎそう。個人と団体で優勝することが大きな目標。まず代表入りしないといけないので練習をやっていきます」

 ――学業との両立は大変ですか?

 「苦手です(笑い)。国語は得意ですけど、数学が…」

 ――オフの過ごし方は?

 「週1回、体操が休みの時は寝ます。睡眠時間もあまりないので」

 ――好きな漫画やスポーツは?

 「漫画はあんまり読まない。好きなスポーツもない。音楽も聴かない。時間があったら寝ます。すぐに寝る。どこでも寝られます(笑い)」

 ――好きなタイプは?

 「あの〜テレビをあまり見ないので知ってる人がそもそも少ないですね(笑い)」

 ――趣味は?

 「昔はお父さんと釣りによく行ってました。今は時間がないので行けてないですね」

 ――ご両親とはどんな話をしますか。運動も全くされてなかった?

 「両親は運動経験はないです。体操の話はしますけど素人なのでよく分かってないと思います(笑い)」

 ――自宅に戻るのはいつも何時ごろですか?

 「帰宅は午後11時前です。睡眠は5時間半くらい。練習場には午前7時前に着いて、毎日6時間ほど練習してます」

 ――心掛けていることは?

 「練習場に行くのは僕が一番早い。ジュニアの頃からそうでした。早く行ってアップしたい。やっぱり誰よりも準備したいという気持ちがある。皆と同じでは駄目なので意識してます」

 ――朝はつらくないですか?

 「眠たいとかあります…そういう日に頑張れないと駄目なんで」

 ――私が30歳くらいで気付いたことを半分の年齢で気付いてる。大人です。心意気が全然違います(笑い)。

 <弱点は強すぎる腕力!?>清風高体操競技部の梅本英貴監督(42)は“腕力頼みの演技”を北園の改善点に挙げた。シニアになると複雑な技が増える中、腕力に頼ることでミスが出るという。「小さい時から腕力が強いことが欠点だった。体操に力はいらない。鉄棒も握っては駄目で握力もいらない。プロテクターでひっかけているだけの人がうまい。握り込むと途中で力尽きる」と指摘。北園が“自然体の技”を突き詰めた時にまた一歩、東京に近づくことになる。

 ◆北園 丈琉(きたぞの・たける)2002年(平14)10月21日生まれ、大阪府出身の16歳。3歳から体操を始める。小学1年生から選手コースへ。清風中3年時にアジアジュニア選手権で種目別の平行棒で2位。清風高では18年8月に全日本ジュニア選手権で個人総合で優勝を果たした。平行棒、つり輪、あん馬などを得意とするオールラウンダーで“内村2世”との呼び声が高い。1メートル48、45キロ。

 【取材後記】今までで一番、模範的な回答が返ってきたインタビューでした。とにかく体操が楽しくて仕方がない。競技中心の生活で「寝る」ことで気分転換。16歳とは思えないくらいストイックで精神的にも成熟していました。負けん気の強さも感じました。個人総合の優勝を掲げるということは内村選手含め、全員に勝たないといけない。口にはしませんでしたが自分の中で“理想とする完成形”もすでに固まっているのでしょう。はじけるような演技で、はじけるような笑顔を待ってます。思い描く「美しい体操」ができた時に東京五輪で“世界の北園”として人々の記憶に刻まれるはずです。(加藤 綾子)

続きを表示

この記事のフォト

「大坂なおみ」特集記事

「羽生結弦」特集記事

2019年1月29日のニュース