「中止」一転、女子プロゴルフ3大会開催決定も…気になる放映権帰属の解釈の相違

[ 2019年1月29日 11:52 ]

LPGAの小林浩美会長
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 放映権帰属を巡る問題で、一度は「中止」と発表された女子プロゴルフの3大会は、大会主催者と日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の間で今季も開催することで合意した。今季の女子ツアーは昨季より1増の39試合が行われる。

 このほど継続が決まった3大会の主催者は、日テレ系列の地方放送局。昨年12月の期限までにLPGAと合意に至らなかったことで、12月18日の日程発表会見では「中止」と発表された。一転継続となった最大の要因は、地元の関係者、ファン、そして選手の存続を求める熱い声。中京テレビブリヂストン・レディース(愛知)は長年続く伝統ある大会。ミヤギテレビ杯ダンロップ女子(宮城)、KKT杯バンテリン・レディース(熊本)は被災地で唯一開催されている。反響も大きく、主催者は、年明けからLPGAと開催に向けての協議を再開。「われわれは協議を途中で打ち切られた形だった。開催が決まってほっとしています」と3大会の関係者は話す。日本テレビも「ファンファースト」「選手ファースト」を重視した決定と強調した。

 その一方で、気になるのは、放映権帰属に関する双方の解釈の相違だ。小林浩美会長はLPGAを通じて「この度の交渉を経て、全ての主催者様がトーナメン中継映像における選手の肖像の価値を認めてくださったことは大変意義のある、画期的なことです。これにより、弊協会創立以来51年間あやふやだったLPGAツアーにおける放映権の考え方が明確なりました」とコメント。方や3大会の主催者は「放映権帰属問題は継続審議ということでLPGAさんも了承してもらった。その件に関しては、今後も粘り強く協議していきたい」と譲らぬ構えだ。

 契約は単年度であり、2020年度の協議で再び放映権帰属問題が争点になることは必至だ。LPGAが導入を打ち出しているインターネットによるライブ映像配信も当初の予定よりも大幅に遅れることが濃厚。「暫定決着」でスタートする2019年度の女子ゴルフ界は依然として波乱含みだ。(記者コラム・黒田 健司郎)

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2019年1月29日のニュース