アドベンチャーランナー北田氏 米極寒レース256キロを走破

[ 2019年1月5日 05:30 ]

64時間56分で無事に完走を果たした北田氏
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 米ウィスコンシン州の氷雪地帯で12月28日(日本時間)にスタートした「Tuscobia Winter Ultra Race(タスコビア・ウインター・ウルトラ・レース)」に日本人初挑戦していたアドベンチャーランナーの北田雄夫氏(34)が、30日に無事完走しゴールした。

 世界七大陸アドベンチャーマラソンを日本人で初走破した北田氏が挑戦した今回のレースは、全長160マイル(約256キロ)のコースを制限時間65時間ノンストップで走破するもので、最低気温もマイナス20℃前後という極寒の下で食料や寝袋などを載せたソリを引きながら走る過酷なレース。

 ゴール後、北田氏は「今回は天候にも恵まれてマイナス17℃止まりでしたが、レース前日まで降った雨が氷水となり、何度も足がはまってしまい、シューズに付着した水分が凍ってしまったんです。幸いにも防寒対策をしていたので、凍傷にならずにすみました」と、極寒レースの恐ろしさを味わった。

 また、ソリを引きながらのレースに関して「坂道や凸凹で体が引っ張られ、体への負担もとても大きかったですね。しかも、コースのほとんどが景色も変わらない林道で、日中でも進んでいるのか分からなくなり、夜はそれが格段にひどくなって、何度も心が折れそうになりました」と、レースでのつらさを振り返った。

 今回のレースで最大のピンチとなったのがスタートして41時間後、184キロ地点だった。「吐き気とめまいに襲われ、座っているだけでもつらくなり、ソリに積んでいたマットと寝袋を使い、屋外で1時間半ほど仮眠を取りました。体力が回復しない中、長時間休憩もしていられないので、再スタートを切りました。しかし、その先で寒さ、眠気、足の痛みも増して、幻覚もひどくなる一方で、コース上にある雪の塊のすべてが枕に見えてきました。その後ペースが上がらない中、無理をせずに倒れずに前に進み、自然治癒を望みました。真っ暗なコースを1、2、3時間と進み続ける中で、辛うじて食料を摂れるようになり、少しずつ回復していきました」と、最大のピンチを乗り切った。

 最終的に北田氏は制限時間の4分前となる64時間56分でゴール。34人が参加し、完走率44%の中、15位という結果となった。

 最後に、北田氏は「本当に多くの方のおかげでゴールにたどりつけました。応援していただき、チャレンジする力ももらいました。次回の挑戦は2月下旬から極寒アラスカ240キロです。マイナス30〜40℃と今回より寒くなりそうですが、課題も見つかり、しっかりと準備をして挑みます」と、次なる挑戦への意気込みを見せた。

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