桃田賢斗 東京五輪へのロードマップ 鍛える想像力&探究心「もっともっと攻撃的に」

[ 2019年1月2日 11:30 ]

今年の目標を掲げて笑顔の桃田(撮影・会津 智海)
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 プレ五輪イヤーが始まる。20年東京五輪の出場権を懸けた戦いがいよいよ本格化。バドミントンは1年間の獲得ポイントを争う「五輪レース」が4月からスタートする。五輪初出場で金メダルを狙う男子シングルスの世界王者、桃田賢斗(24=NTT東日本)が新シーズンへの思いを語った。

 18年の桃田は幾度も日本のバドミントン史に名を刻んだ。8月の世界選手権を制し、9月には世界ランキングで1位になった。いずれも日本男子初の快挙だった。

 「前半は勢いのまま、自分が自分じゃないくらい結果が出た。この1年、こんなにいろんなタイトルが獲れるとは予想していなかった」

 五輪3大会連続銀メダルのリー・チョンウェイ(マレーシア)、北京、ロンドン五輪2大会連続金メダルの林丹(中国)、リオ五輪王者のシン龍(中国)から初勝利を挙げた。国際大会は74勝8敗で、勝率は9割を超えた。個人戦では8つの大会を制した。

 「同じ相手に2連敗もあったが、立て直せた。弱気にならず向かっていけた。後半はプレーだけじゃなく、メンタル的にも成長できたと思う」

 世界ランキング7位のギンティン(インドネシア)には8月のアジア大会などで2連敗したが、10月のデンマーク・オープンでは勝利。苦手意識を残さなかった。

 違法カジノ問題による出場停止処分で試合に出られない期間中、体力強化に力を注いだ。復帰後は安定したフットワークを武器にラリーでの強さが際立つ。攻め急いで、自分から崩れることも減った。

 「スタミナ勝負、フィジカル勝負に持っていくことができれば、自分に分がある。でも今は守備主体になっている。もっともっと攻撃的に自分から決められる選手になりたい。攻撃力を上げれば、相手にプレッシャーをかけられる」

 復帰当初は堅実なプレーが多かったが、観客のどよめきを誘うプレーも増えてきた。ネットすれすれに落ちるヘアピンショットも得意技だ。

 「そのショットだけの練習はしていない。想像力、探究心。練習の中でここに打ったら、こう返ってくるとか考える。考えて楽しめている。データ分析はあまり見ないし、ノートもつけていない。直感でプレーするタイプです」

 試合後のインタビューでは常に感謝の言葉を口にする。昨年12月の全日本総合選手権の優勝後にはごみ拾いやスリッパ並べなど「徳を積む」ことを意識してきたことも明かした。

 「(徳を積む意識は)中学生の頃、やって良かったことがあった。深い意味はないが、何かいいことがあるかなと思っている。“感謝”はこの1年間ずっと言っている。これは当たり前のようで、当たり前にするのが難しい。ずっと口に出していきたい」

 国際大会に復帰した17年7月の世界ランキング282位から約1年2カ月で頂点まで駆け上がり、9月以降も1位をキープしている。

 「なった時はうれしかったが、この位置を譲りたくないという気持ちが出てきて、少し保守的になったり、のびのびプレーできなくなってきた。その中での戦い方を今勉強している」

 目の前の大会に集中してきたが、ただ今は1年半後の五輪も少しずつイメージできるようになった。

 「凄く緊張すると思う。みんなが力を出し切ろうとする。見ていても気迫が違う。そういう重圧を第1シードは1回戦から最後まで受け続ける。それを戦い抜くのは相当大変なんだろうと思う」

 今年は五輪出場権を懸けた争いが始まる。ライバルたちも本腰を入れて大会に挑んでくる。

 「一つ一つ全力で取り組むことをテーマにしたい。全力で取り組まないと課題も成果も見えてこない。きついからと逃げずにトライする。その積み重ねが、もし五輪に出られた時に生きてくる」

 ◆桃田 賢斗(ももた・けんと)1994年(平6)9月1日生まれ、香川県出身の24歳。7歳でバドミントンを始める。福島・富岡高3年時の12年に世界ジュニア選手権優勝。15年世界選手権男子シングルスで、日本初のメダルとなる3位。16年4月に発覚した違法賭博問題による出場停止処分でリオ五輪出場を逃した。左利き。1メートル75、68キロ。

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