カノア サーフィンWG日本人初の銀!東京五輪へ期待膨らむ

[ 2018年9月20日 05:30 ]

サーフィン ワールドゲームズ(WG) ( 2018年9月19日    愛知県田原市・大石海岸沖 )

<サーフィンWG>男子決勝でキレのあるターンを見せる五十嵐カノア。惜しくも優勝を逃し2位となった
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 男子決勝で優勝候補の五十嵐カノア(20)が13・67点で準優勝。WGでは男女を通じて日本勢として初めて表彰台に立ち、20年東京五輪のメダル獲得に期待が膨らむ結果となった。21歳の村上舜は敗者復活戦最終戦を2位で突破して決勝に進出したが、9・96点で4位だった。世界王者経験のあるサンティアゴ・ムニス(アルゼンチン)が14・63点で優勝。敗者復活戦に臨んだ女子の日本勢は3人とも敗退した。

 今大会から日の丸をつけた五十嵐は、波が当たらない中でも高得点をマークし、男女通じて日本史上初のメダルをいとも簡単に射止めた。「金を獲りたかったが、東京五輪に向けたいい練習になった」と笑顔で締めくくった。

 日米両国の国籍を持つが、2018年から日本サーフィン協会の強化指定に選ばれると、東京五輪に向けて一気に思いは加速した。「大会はいつも負けているから気にはしないが、今回は日本のために金メダルを獲りたかった」と五十嵐。インタビュー中も国旗を離さず「日の丸のパワーがモチベーションになった」と振り返った。

 今大会は国際サーフィン連盟主催。普段主戦場にする世界プロサーフィン連盟との、ジャッジの違いに苦しんだ。「ベーシックなサーフィンをやらないと点にならない」と不満も漏らしたが、それも五輪への勉強と切り替えている。

 日本代表を指導するウェード・シャープ・コーチは「子供の頃から見ているがフィジカル、技術、精神が他のサーファーより優れている」と評価。「経験値が高いし、チームにいい影響を与えている」と早くも日の丸エースに指名した。

 銀メダルに終わったが、東京五輪の追加種目への期待を抱かせる。「世界もジャパンが強いと思ったと思う。金メダルは東京五輪に取っておきましょう」と、自ら金メダル獲得を宣言した。

 ◆五十嵐 カノア(いがらし かのあ)☆生まれ 1997年(平9)10月1日生まれ、米カリフォルニア州出身の20歳。

 ☆サイズ 1メートル80、75キロ。

 ☆競技歴 元サーファーの両親の影響でサーフィンを始めた。9歳で米国のアマチュアチームの強化選手に選出され頭角を現すと12歳で全米アマチュアサーフィン連盟主催試合で30勝を挙げて最多優勝記録を塗り替えた。13歳からプロサーファーとして活動を開始。世界プロサーフィン連盟(WSL)ランキング9位。

 ☆語学 日本語のほかに英語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語を操るマルチリンガル。

 ☆国籍 米国と日本の二重国籍。競技者としては18年4月に米国から日本への登録変更が認められ、日本協会の18年度強化指定選手に選ばれた。

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