大坂59分圧勝!凱旋女王フィーバーに「チョット恥ずかしい」

[ 2018年9月20日 05:30 ]

女子テニス 東レ・パンパシフィック・オープン第3日 ( 2018年9月19日    東京都立川市・アリーナ立川立飛 )

凱旋試合を終え、ファンにサインする大坂(撮影・吉田 剛)
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 凱旋大会の初戦を圧勝で飾った。世界ランキング7位で第3シードの大坂なおみ(20=日清食品)は、14年全豪準優勝で世界30位のドミニカ・チブルコバ(29=スロバキア)を6―2、6―1で一蹴。全米Vフィーバーが続く中、豪打と我慢強さを両立した女王らしい強さを示した。21日予定の準々決勝では世界25位のバルボラ・ストリコバ(32=チェコ)と同27位のアネット・コンタベイト(22=エストニア)の勝者と対戦する。

 オンコートでの強さとオフコートでの純朴さが大坂の魅力だ。1時間足らずの完勝劇の後、司会者に促された観客から全米優勝を称える拍手が延々と続いた。その様子を見渡しながら、しばらくするとたまらず「チョット恥ずかしい」と照れ笑いを浮かべた。

 今大会は有明の改修に伴い2700人収容の手狭な会場に移った。それが大坂の凱旋試合となって前売り券は完売。この日の朝には数十人が当日券を求めて並んだが結局販売されなかった。試合直前には入場口に観客が押し寄せ全米女王のお出ましに備えて一斉に携帯電話をかざした。

 しかし人いきれのする会場で大坂は冷静だった。「あまりプレッシャーを感じず、それよりもエキサイティングな気持ちになれた」。試合は大坂がなぜ4大大会で勝てたのかを示すショーケースだった。「今日はサーブがうまく機能した」とエースは10本をマーク。時速190キロ台の弾丸サーブで観客のどよめきを誘う一方で、相手の位置を見ながら冷静にセンターにスライスで決めた第2サーブのエースもあった。

 ラリーとなれば、今季躍進の一因でもある我慢強さを発揮した。2年ぶりの対戦で、わずか59分で敗れたチブルコバは「2年前も素晴らしいサーブはあったが、もっとミスを犯していた。今日は我慢をして私にボールを打たせそれを見ていた」と大坂の成長ぶりを語った。

 全米優勝によって大坂を取り巻く世界は一変した。米国のテレビ番組で若手俳優マイケル・B・ジョーダンのファンだと言えば司会者が大坂とのセルフィー(自撮り)を送り、後日ジョーダンからツイッターを通じて激励のメッセージが届いたほど。

 それでも地に足をつけていられるのは3月に“準メジャー”のBNPパリバ・オープンを制した経験があったからだ。「あの勝利が気持ちの準備のために役に立っている。全米のすぐ後が東京であることも、すぐに戦おうという気にさせてくれた」と日本開催というモチベーションも気持ちの切り替えに役立った。

 喧騒(けんそう)も期待も重圧も関係なく、凱旋大会は完璧なスタートを切った。それでも「今日は80%ぐらいじゃないか。自分の限界がどこか分かってないので、今日が100%とは言えない」と涼しい顔。なおみフィーバーもまだ始まったばかり。勝てば勝つほどその熱気は高まっていく。

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