張本完全初V 水谷超え最年少!6戦で1ゲームも落とさず悲願

[ 2018年1月19日 05:30 ]

卓球全日本選手権第4日 ( 2018年1月18日    東京体育館 )

優勝を決めた瞬間、「ハリバウアー」で喜びを爆発させる張本
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 天才少年がまた金字塔を打ち立てた。ジュニア男子シングルスで張本智和(エリートアカデミー)が、6試合を1ゲームも落とさずに初優勝。04年大会の水谷隼の14歳221日を超え、14歳205日の史上最年少でタイトルを獲得した。混合ダブルスは、全日本初出場の森薗政崇(22=明大)伊藤美誠(17=スターツ)組が優勝した。

 卓球界の年少記録は、張本に破られるために存在する。14歳205日での戴冠が決まると、上体を反らしながら右拳を突き上げた。「待ちに待った優勝なんでうれしい。今年獲れなかったらやばいと思っていた。ずっと獲れなくて、心に引っかかっているものがあった」。小学5年の初出場から4度目のアタック。ようやくつかんだ全日本のタイトルに、あどけない笑みを浮かべた。

 世界ジュニア史上最年少金メダルの肩書を背負った昨年。まさかの準々決勝敗退に、現実を受け入れられず号泣した。世界選手権史上最年少8強、ワールドツアー史上最年少優勝とシニアでの実績を積み上げた今年は計6試合、1ゲームも落とさずに頂点に駆け上がった。決勝の第2ゲームは1―7から逆転。日本男子の倉嶋監督から「あんまり声出すなよ、疲れるから」とアドバイスされていたが、決勝では得点のたびに「チョレイ!」が響き渡った。

 昨春から本格的に筋力トレーニングを始め、瞬発力やスピードがアップ。体脂肪率8%台の強じんなボディーを手に入れた。側転やマット運動は苦手で周囲から「運動音痴」と言われても、コートに入れば好ショットを連発する。倉嶋監督が「負けている時でも冷静に考えられるようになった。心の部分が一番成長した」と言うように、メンタル面もたくましくなった。

 宇田と組んで男子史上初の中2優勝を狙うダブルスで16強、男女通じて史上最年少での日本一が懸かるシングルスも5回戦に進出し、3冠の夢を追う。「一般で優勝できなかったら意味がない。今の勢いなら、きっと自分ならできる。残り2つも優勝したい」。ぐんぐん伸びていた身長は1メートル72あたりで止まったが、14歳の進化と進撃は止まらない。

 【まだまだいくぞ!!張本記録アラカルト】

 ☆ジュニア男子シングルス 14歳205日での優勝は、04年大会を14歳221日で制した水谷隼を上回る史上最年少記録となった。女子では福原愛が中学1年で制している。

 ☆男子ダブルス 高校生同士のペアで過去に2組の優勝例があるが、中学2年の張本が優勝すれば初の中学生優勝。女子は福原が中学2年で優勝している。

 ☆男子シングルス 史上最年少優勝は07年大会の水谷隼で17歳226日。女子では昨年の平野美宇が16歳283日で制した。張本は21日の決勝が14歳208日となり、優勝すれば大幅な最年少記録となる。

 ☆3冠 ジュニアと一般のシングルス、男子ダブルスで達成すれば07年の水谷以来。シングルス、ダブルス、混合ダブルスの3冠は斎藤清、山泉和子、石川佳純が達成している。

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