貴親方が初めて公式に状況説明 春へ貴ノ岩、後遺症の恐怖克服

[ 2018年1月19日 05:30 ]

貴景勝戦を見届けて両国国技館を後にする貴乃花親方
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 昨年10月に元横綱・日馬富士(33=本名ダワーニャム・ビャンバドルジ)が起こした傷害事件で被害を受けた貴ノ岩(27)の師匠である貴乃花親方(45=元横綱)が17日付で貴乃花部屋の公式サイトを更新し、貴ノ岩が春場所(3月11日初日、エディオンアリーナ大阪)での復帰を目指していることを明かした。傷害事件に関して多くを語らなかった貴乃花親方だが、関係者の処分などが全て済んだことで、初めて公の場で貴ノ岩の状況などについて説明した。

 傷害事件の影響で昨年九州場所に続いて初場所も休場となった貴ノ岩について、ついに貴乃花親方が状況を説明した。公式サイト内の「貴乃花親方からのメッセージ」を約9カ月ぶりに更新。貴ノ岩が負傷してからの経緯について「深刻なダメージを負い、後遺症の心配もあるため、受傷部分の検査治療に多くの時間を費やしてきた」と明かした。

 秋巡業中の昨年10月25日夜から26日にかけて起きた傷害事件。貴乃花親方は鳥取県警に被害届を出しながら、日本相撲協会には報告しなかった。さらに事件が発覚した後も相撲協会の危機管理委員会による貴ノ岩の事情聴取になかなか応じなかった。相撲協会には「警察捜査を優先する」と言い続けた。そのため、公にコメントすることも控えてきた。元日馬富士は昨年12月28日に略式起訴となり、今月4日には鳥取簡裁から罰金50万円の略式命令を出された。傷害事件が一段落したことで、貴ノ岩を心配しているファンに向けて報告する形となった。

 貴ノ岩の現状については「体を動かすことができるようになりリハビリを続けている」と説明。復帰のメドについては「当面の目標を三月場所での土俵への復帰と定めている」とつづった。ただし、精神的なダメージも残っているため「医師の指導の下、本人の心身両面での快復状態を見ながら判断していきたい」と付け加えた。

 東十両3枚目の貴ノ岩は、全休しても春場所は十両最下位にとどまる特別救済措置が適用される。「今回の事件を乗り越え、精神的肉体的な懸念を克服し、後遺症の恐怖にも打ち勝たなければなりません。そのための指導は、惜しむことなくして参ります」と、家族同様と捉える弟子と復帰に向けて歩んでいく決意を示した。

 貴乃花親方は相撲協会へ傷害事件の報告義務を怠ったことなどにより、4日の臨時評議員会で初の理事解任処分を受け、2階級降格で役員待遇委員となった。それでも、初場所後の2月に実施される理事候補選挙には出馬できる。17日には都内で貴乃花一門の一門会を開いた。会合には時津風一門を離脱して無所属になった錣山親方(元関脇・寺尾)ら3親方も参加し、今後について話し合った。信念を貫き処分を受けた貴乃花親方は、今後も弟子の育成と相撲協会のために信念を貫いていく。

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