【砂村光信 視点】勝敗分けたセットプレーの精度 安定感で帝京大

[ 2018年1月8日 08:30 ]

ラグビー全国大学選手権決勝   帝京大21―20明大 ( 2018年1月7日    東京・秩父宮ラグビー場 )

9連覇を喜ぶ帝京大フィフティーン
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 結果的にセットプレーの精度が勝敗を分けた。明大は後半にラインアウトのノットストレートが2本。20―7から突き放すチャンスだった後半10分すぎの敵陣でのスクラムでもコラプシング(故意に崩す反則)を犯して流れを手放した。試合を通した安定感では帝京大が一枚上手だった。

 接戦となった要因は明大のボールキープ力とディフェンス。自陣からでもボールを継続する攻撃で保持率は60%以上と帝京大を大きく上回り、前へ出て低く止めるタックルは相手に“逃げのキック”を選択させた。低迷期の敗因は「走れない」「タックルできない」という根本的な要素だったが、それが小さなミスや反則に変わったあたりに復活の手応えを感じ取れる。

 帝京大は後半、FWが密集サイドをしつこく突いて主導権を奪い返した。準決勝の東海大戦と同じく相手の強みをつぶし、嫌がるプレーを徹底。“アウェー”の雰囲気で珍しくミスが多かったが、13点リードされても普段通りのプレーで修正してみせた。点数以上の実力差があったように思う。(元U―23日本代表監督)

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2018年1月8日のニュース