“静寂の攻防”ゴールボール 視覚以外の感覚フル稼働

[ 2016年9月4日 10:16 ]

ゴールボールのジャパンパラ大会でプレーする安達阿記子(左)

 障がい者スポーツ最大の祭典、パラリンピックが7日(日本時間8日)からリオデジャネイロで始まる。五輪の感動をもう一度と注目度は高いが、さまざまな障がいのある選手がどんな競技でどんな戦いをするのかを知っている人はまだまだ少ない。そんな人のために「今からでも間に合うパラリンピック」として、パラ独特な競技やルールを5回に分けて紹介する。

 【ゴールボール】視覚障がい者のための球技で、1チーム3人の選手は「アイシェード」と呼ばれる目隠しを着用し、鈴入りのボール(重さ1・25キロ)を交互に転がすように投げ合って得点を競う。コートは18メートル×9メートルでバレーボールとほぼ同じ大きさ。ゴールはコートと同じ幅9メートルで、高さは1・3メートル。3メートル間隔で敷かれた幅5センチのラインには全てたこひもが通してあり、選手は手で触って自分の位置を確認することができる。試合時間は前半、後半各12分で、間にハーフタイムが3分ある。試合中は観客も声を出して応援することが禁止され、選手は静寂の中で緩急やスピンをつけたボールを次々と投げ込み、床の振動やラインの感触など視覚以外のあらゆる感覚を駆使して攻防を繰り広げる。

 日本の女子は04年のアテネ大会で初めて銅メダルを獲得。前回のロンドン大会では決勝で宿敵中国を1―0で破り、見事に金メダルを獲得した。決勝点を挙げた安達阿記子(32)ら金メダルメンバー6人のうち5人が今回も代表に名前を連ねており、「もう一度金メダルを獲るためにみんなで頑張ってきた」(安達)と連覇に闘志を燃やしている。大会には10カ国が出場し、5カ国ずつ2組に分かれて総当たりの予選リーグを行い、各組上位4カ国が準々決勝に進む。日本は米国、アルジェリア、ブラジル、イスラエルと同組に入っている。

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2016年9月4日のニュース