ウォリアーズ逆王手!トンプソン、3点シュートでPS最多成功記録更新

[ 2016年5月29日 15:46 ]

プレーオフ新記録となる11本の3点シュートを決めたウォリアーズのトンプソン(AP)

 NBA西地区決勝の第6戦が28日にオクラホマシティーで行われ、1位ウォリアーズが3位サンダーを108―101(前半48―53)で下して3勝3敗。1勝3敗から連勝し、負けたら終わりとなるはずだった敵地でのゲームも拾って2年連続のファイナル進出に“逆王手”をかけた。

 序盤は苦戦。ルーズボールに競り負け、相手にオフェンス・リバウンドを次々に奪われ、ミスも連発するなど今季歴代最多の73勝を挙げたチームとは思えぬ内容だった。

 しかし8点を追って迎えた第4Qに入る前、シーズンMVPのステファン・カリー(28)に「お前の出番だ。ショータイムを見せてやれ」と背中を押されたクレイ・トンプソン(26)が奮起。7分4秒にこのクオーター4本目の3点シュートを決めたところで点差は4点に縮まった。

 この時点で成功した3点シュートは10本となり、レイ・アレン(元ヒートほか)ら4人がマークしていたポストシーズンでの1試合最多成功記録(9)を更新。“スプラッシュ・ブラザーズ”の相棒の活躍に奮い立ったのか、第1Qに無得点に終わっていたカリーは8分2秒と9分13秒に連続して3点シュートを沈めてついに99―99と同点に追いついた。

 第2Q途中で一時13点をリードしていたサンダーは突然、火を吹き始めたウォリアーズの長距離砲に動揺。ここからミスを連発して立場が入れ替わった。

 そして第4Qの残り1分35秒、トンプソンはなんと11本目の3点シュートを成功させ、ウォリアーズはついに104―101とリード。残り14秒にはカリーがサージ・イバカ(26)との1対1を制してゴール下でシュートを決めて決定的な5点差をつけた。試合時間の48分間のうちリードした時間はわずか5分51秒ながら、大事な部分だけウォリアーズがサンダーを上回ったような試合展開。1勝3敗からのシリーズ逆転は過去231回中9回(勝率3・9%)しかないが、30日にオークランドで行われる最終戦に勝てば“奇跡の物語”が完結することになった。

 結局、トンプソンはプレーオフ自己最多の41得点をマーク。カリーも29得点10リバウンド9アシストを挙げて土壇場では存在感を示した。累積テクニカル・ファウルによる出場停止処分を避けるために必死になって?審判への文句を控えていたフォワードのドレイモンド・グリーン(26)は14得点12リバウンド。センターのアンドリュー・ボーガット(31)がサンダーのスティーブン・アダムス(22)にゴール下で何度も競り負けたこともあって、5反則を犯しながらも最後は1人でインサイドで踏ん張った。暴言を慎んだおかげで雌雄を決する第7戦の出場もOK。「これまでのどんな試合よりもハードな展開になる。でも自分たちのプレーを徹底してやればいい結果が出るはずだ」と地元で迎える最終戦に意欲をのぞかせた。

 一方、4年ぶり2度目のファイナルを目前にして敗れたサンダーは、無念の逆転負け。ケビン・デュラント(27)は29得点、ラッセル・ウエストブルック(27)は28得点9リバウンド11アシストを稼いだものの、最後はスローインのミスなどに泣いた。チームの3点シュート成功率はウォリアーズの47・7%(44本中21本)に対し、サンダーは13・0%(23本中3本)。ロングレンジからのシュートの精度の違いも敗因のひとつになった。

 デュラントとウエストブルックの二枚看板は3点シュートを13本放って成功は1本のみ。ディフェンスやリバウンドのポジション取り、ルーズボール争いなど数字に見えない部分では勝っていたが、きっちり数字に表れる部分では極端な差をつけられた。

 最終戦は30日(日本時間31日)。シャンパン・ファイトを取り上げられた揚げ句に再び西海岸へ向かうというつらい旅路だが、敵地での第1戦では108―102で勝っているだけに、その試合だけをイメージして決戦に臨みたいところだ。

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