石川だ柳田だ!リオ切符へ若きWエース奮闘 日本逆転発進

[ 2016年5月29日 05:30 ]

<日本・ベネズエラ>第3セット、得点にガッツポーズする石川(中央)

バレーボール男子リオデジャネイロ五輪世界最終予選兼アジア予選第1日 日本3―1ベネズエラ

(5月28日 東京体育館)
 2大会ぶりの五輪切符獲得を目指す世界ランキング14位の日本は、同20位のベネズエラに第1セットを奪われながらも逆転勝利を飾った。初の五輪最終予選出場となる石川祐希(20=中大3年)が19得点、柳田将洋(23=サントリー)が15得点をマーク。若き両エースの活躍で、女子に続く五輪切符獲得へ向けて好スタートを切った。29日は同19位の中国と対戦する。

 重苦しいムードを打ち破ったのは若きエースたちだった。第1セットを競りながら落として、迎えた第2セット。最初のサーバー、20歳の石川は落ち着いていた。「最初は雰囲気にのまれたところがあったけれど、苦しい時こそ自分のプレーに集中した」。緩く落ちるサーブで、相手の裏をかいて得点。続いて強烈なサーブで守備を崩して好機をつくると1メートル91の点取り屋はバックアタックを決めた。さらに強烈なサービスエースで怒とうの3連続得点。東京体育館に黄色い歓声を響かせた。

 追い上げられて13―17とされると、今度は23歳の柳田だ。「どうにか打破したかった。気持ちが得点につながった」。3枚ブロックにつかれながらも、ボールを押し込んだ。アタッカーとしては1メートル86と決して大型ではないが、次々とスパイクを決めて、チームは5連続得点で18―17。若い力でリズムを取り戻した日本は第2セットを取り返すと、続く2セットも連取して逆転勝ちした。

 昨年のW杯での活躍以降、石川と柳田はその爽やかなルックスもあいまって注目を集めている。雑誌では2人を表紙にした特集号が組まれ、今予選は前売りが完売するほどの人気ぶりだ。柳田は「お客さんが見てくれることで、そっちに引っ張られる」と言えば、石川も「昨年のW杯よりも入っている。モチベーションになる」と大声援を力に変えている。重圧の懸かる五輪予選での先発起用にしっかり応えた。

 29日はスタメンに2メートル以上がずらりと並ぶ中国戦。4年前の最終予選では1―3で完敗し、以降1勝4敗と苦戦が続く相手だ。「中国にも勝てる」と柳田。「負けられない」と石川。過去の歴史にとらわれない、怖いもの知らずの2人が日本の大きな武器だ。

 ▽男子バレーボールのリオデジャネイロ五輪への道 予選は8チームの総当たりで争う。日本は(1)アジア4チーム中トップ(2)その他7チームにうち上位3チーム、に入れば出場権を獲得できる。五輪出場国は12カ国で、既にブラジル、ロシア、イタリア、米国、アルゼンチン、キューバ、エジプトが出場を決めている。また、世界最終予選メキシコ大会(6月4~6日)で最後の1チームが決まる。

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