沙羅 自己最多8連勝 個人総合Vへ勢い止まらん10戦9勝

[ 2016年2月6日 05:30 ]

自己最多と鳴る8連勝で今季9勝目を挙げた高梨(中央) (AP)

ノルディックスキーW杯ジャンプ女子個人第10戦

(2月4日 ノルウェー・オスロ=HS134メートル、K点120メートル)
 大きな台でも圧倒的な強さを見せた。女子では今季唯一のラージヒルでの開催で、高梨沙羅(19=クラレ)は合計305・8点で優勝。自己最多の8連勝で今季9勝目、通算39勝目を挙げた。1回目に最長不倒の137・5メートル、2回目も136メートルを飛んでの圧勝で、13~14年シーズンにマークした7連勝の自己記録を更新した。伊藤有希(21=土屋ホーム)は7位。勢藤優花(18=北海道メディカルスポーツ専門学校)は12位、岩渕香里(22=松本大)は15位だった。

 ノルディックスキーの聖地とされるオスロで自己記録を塗り替えた。高梨はヒルサイズ(HS)越えの飛躍をそろえる圧巻の内容で快勝。連勝を8に伸ばした。勢いが止まらない19歳は「楽しんで終われた。結果を出せているということは、いい内容のジャンプが飛べているということ」と表情を緩めた。

 抜群の飛距離を誇るだけに、大きな台で輝きは増す。女子では今季1試合だけのラージヒルは、まさに独壇場だった。試技では「気合が入りすぎてしまった」と空中で体が突っ込んで124メートルにとどまったが、本番ではしっかり修正。1回目はタイミングよく踏み切ると、失速を最小限に抑えHSの3・5メートル先に着地。直前に地元のルンビーがマークしたW杯のジャンプ台記録の136・5メートルを1メートル上回った。

 2回目も他の選手より低いスタート位置から出て飛距離、得点ともトップ。今季好調の要因について、父・寛也さんは助走の改善と空中を進むスピードが上がっていることを挙げ「確率(精度)が上がってきている」と目を細めた。

 今季10戦9勝で勝率は9割に達した。19戦の日程の約半分を終え、個人総合女王争いは2位のダニエラ・イラシュコ(オーストリア)に3勝以上に相当する331点差をつける980点。2季ぶりの個人総合女王の座が近づきつつある。高梨自身も「予想を上回る結果」と驚く充実ぶりだ。

  連勝が伸びても「やることは一緒。自分をコントロールするために平常心で臨むようにしている」と目先の数字には興味を示さない。揺るがない心で、黙々と勝利を積み重ねる。

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