葛西“駆け込み”逆転V 会場入り28分後にジャンプ

[ 2016年1月10日 05:30 ]

逆転優勝が決まるとTVカメラの前で葛西(左から3番目)はガッツポーズ

 ノルディックスキーの雪印メグミルク杯全日本ジャンプ大会は9日、北海道・札幌市宮の森ジャンプ競技場(HS100メートル、K点90メートル)で行われ、男子は8日にW杯から一時帰国したばかりの葛西紀明(43=土屋ホーム)が合計264・5点で初優勝した。1回目に97・5メートルで2位につけ、2回目に最長不倒の99メートルで逆転した。女子は高梨沙羅(19=クラレ)が1回目に81メートル、2回目に最長不倒の98・5メートルを飛び、合計221・0点で2年連続3度目の制覇を果たした。

 レジェンドが“駆け込み”で優勝をさらった。午前10時13分に車でジャンプ台に到着した葛西は同41分に予選を兼ねた試技を飛んだ。その間わずか28分。その後は1回目97・5メートルで2位につけ、2回目99メートルの大ジャンプで逆転優勝を飾った。

 「いいジャンプができたけど眠かった。間に合わないと思ったけど…」と苦笑した?西。欧州から前日(8日)に帰国した。時差ぼけが残る中で午前9時半からの試技を回避し、午前10時半開始の競技1本目に間に合わせる予定だった。ところが起床後に試技が予選を兼ねていることを知り、午前10時に自宅を車で出発。試技がゼッケン115番の最後だったこともあり間一髪間に合った。

 例年、雪印メグミルク杯は欧州ジャンプ週間と日程が重なるため、葛西は21年ぶりの出場で初優勝。今後は10、11日と国内大会を戦った後、12日に渡欧し、14日開幕のフライング世界選手権(オーストリア・バートミッテルンドルフ)に挑む。“駆け込みV”という伝説?を刻んだ葛西は「3連勝して勢いをつけたい」と意欲満々だった。

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2016年1月10日のニュース