五郎丸、失敗したけど沸かせた53メートルDGにトライ

[ 2016年1月10日 05:30 ]

<NTTコミュニケーションズ・ヤマハ>前半、果敢に突進するヤマハ・五郎丸

ラグビートップリーグ ヤマハ発動機26―7NTTコム

(1月9日 金鳥スタ)
 決勝トーナメント1回戦が9日に行われ、ヤマハ発動機(B組1位)、神戸製鋼(同2位)、パナソニック(A組1位)、東芝(同2位)が勝って4強入りした。ヤマハ発動機はNTTコミュニケーションズ(A組4位)に26―7と快勝。FB五郎丸歩(29)がゴールキック3本を決めて6点を挙げ、後半7分にはドロップゴールを狙ってスタンドを沸かせた。準決勝は16日にヤマハ発動機―東芝、パナソニック―神戸製鋼のカードで行われる。

 スタンドが、どっと沸いた。ヤマハ発動機が12―7と逆転して迎えた後半7分。自陣、ハーフライン手前の中央付近で五郎丸がボールを持つと、ショートバウンドさせて思い切り右足を振った。

 「(可能性は)フィフティーフィフティー。距離はいけると思いましたし、風上でもありましたのでチャレンジの意味で」。成功すれば約53メートルの超ロングDGは惜しくも決まらず。追加点とはならなかったが、今季大阪初見参となる新年初戦で日本のスーパーブーツが、約7500人の観衆を魅了した。

 会見で五郎丸は「まだDGは決めたことがありません。人生で一回くらいは決めたいですね」と会場の笑いを誘った。それでも、3ゴールによる6得点やライン参加で、チームの4強進出に貢献。プレースキックの成功率は60%で「あんまり当たっていなかったですね」と反省しながら「決勝トーナメントに入ったら、どの試合もしんどい。セットプレーで圧力をかけ、後半、相手の足が止まった状態にしたいと考えていました。風上の後半は有利な状況でゲームコントロールができました」。前半終了直前にスクラムトライ、後半23分にはスクラムで相手の相次ぐ反則を呼んで認定トライを挙げる展開に充実感をにじませた。

 この日の試合に備え年末年始も練習。元日、磐田市内のグラウンドには、約600人のファンが詰めかけた。国内シーズン終了後には、レッズ(オーストラリア)でスーパーラグビーに初参戦。期待や注目度もさらに高まる。東芝との準決勝は、この日と同じ大阪での開催で場所は花園になる。「全国高校大会の決勝も行われますし、彼らに負けないようなパフォーマンスを発揮したいですね」。力強く発進した16年。トップリーグ初戴冠、その先の新たな挑戦へ加速する。

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2016年1月10日のニュース